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ホーム > jet全日本エレクトーン指導者協会 > jet会員のご紹介~私たちのステキな先生~ : 2021年2月号 菅志野先生
月刊エレクトーン 2021年2月号
全国にあるjet会員の個人宅教室を訪ね、エレクトーン指導の独自の工夫やエレクトーンへの想いをインタビューします。今月は埼玉県坂戸市から、菅志野先生(ニコニコ堂 大宮支部)の『すが音楽教室』におじゃましました。
PROFILE (すが・しの)埼玉県出身。幼稚園の頃にヤマハ音楽教室のCMを見て楽器演奏に憧れ、幼児科からエレクトーンコースへ。栗原楽器でグループレッスンに小学校6年生まで通う。中学1年生からは個人レッスンに切り替え、課題曲として出されたフュージョンにエレクトーン演奏の喜びを実感。高校3年生からピアノも習い始める。高校卒業後、池袋センターで研修生コースを2年間学びシステム講師に。9年間務めたシステム講師を辞めるタイミングでjetに入会。jet歴は19年。
自宅の離れを約10か月かけてDIYでリフォームし、園児から70歳代まで30名もの幅広い生徒が通う『すが音楽教室』。菅志野先生は小さい頃から音楽の先生になるのが夢だった。幼いながらjetの教材にもある〈こぶたのガボット〉で音楽の高揚感を感じ、エレクトーンと向き合いながら高校時代には講師になるためにピアノも習い始める。
「小さい頃から、将来は幼稚園の先生かヤマハの先生になりたいと思っていました。幼稚園は3~5歳の幼児に限られますが、音楽の先生だと末長く子どもの成長過程を見守ることができるので、そのほうが指導者としてやりがいがあるのではないかなと」
システム講師になるべく、池袋センターで研修生コースに2年間通い、指導グレード5級を取得。9年間のシステム講師時代を経て、jetに入会する。
「生徒が増えてきた時に、これは教室のビジョンを考えないといけないなと。とにかく音楽を楽しく末長く続けられること、“わかった!できた!”という嬉しい成功体験をたくさんしてほしいという思いを大切にしています。私は平凡な子だったので、一生懸命練習しました。未だにピアノの演奏力には特別自信があるほうではなく、生徒が大きくなった時に、果たして自分の演奏力で指導できるのかなと思い悩んだ時期もありました。だけど知り合いに、“オリンピック金メダリストの指導者全員が金メダルを獲っているとは限らない。だから、指導力と演奏力は違うんだよ”と言ってもらって。指導力を上げればいいんだと、気持ちを切り替えるようになりました」
年に1回の発表会では、学年が固まらないようにくじ引きで1部と2部に分けるなど、毎回試行錯誤している。春休みと夏休みには独自のグループレッスンを行っている。
「2学年ずつに分かれて、普段のレッスンではできないことを1時間ずつ行います。午前中はリトミック教室も開いているので、低い学年はリトミックを取り入れたり音符や記号を鉛筆で書いてみたり。みんなが楽しみにしているのは、小学校1~2年生で行うグランドピアノの探検。下に潜って間近で音を聴いてみたり、屋根を開けて中をのぞいて弦を指でハジいてみたり、研究まではいかないけど探検しています」
4~5月、生徒が新学年に入ると保護者面談も行っている。発表会のこと、レッスンのこと、さらに進級や受験の話まで、保護者とのコミュニケーションを大切にすることで、生徒をより深い部分で理解することができるという。さらに、お琴教室/タイルクラフト教室/ダンス教室/コンサート鑑賞など、外部講師を招いての体験会も開催している。
「上の子が小学生の頃、ダンスが中学校体育の必須科目になると耳にして。ダンスのリズムは音楽に通じる部分があるので、システム講師時代の先輩でダンスの先生に転職した方に“ちょっと教えてもらえないか”とお願いしたのが始まりです。小さい生徒のほとんどが参加し、汗を流して楽しいねと言ってくれて、やっぱり幼稚園から低学年のうちに楽しい経験をすると“またやりたい!”と思うんだなと。それから、ママ友からの情報や世間話から“そんなこともできるの!?”とタイルクラフト教室を行ったり、リトミックの養成学校で知り合った音楽隊の方にクリスマスコンサートで演奏してもらったり…お誘いするうちに、どんどんと輪が広がっていきました。音楽を始めるきっかけを提供できればいいなと思っています」
生徒募集や看板などは出していないが、口コミや紹介のみで1週間のレッスンの予定がほぼ埋まっている状態。人とのつながりを大切にし、音楽に真摯に向き合ってきた菅先生の周りには、これからも笑い声と素敵な音楽が止むことなく鳴り続けることだろう。
月刊エレクトーン2021年2月号より 写真提供/jet本部 文/編集部