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- 先ほど「ガルネリ・デル・ジェス」という名前が出てきましたが?

『ストラディバリウス』というバイオリンの名前、聞いたことありますよね。ストラディバリはその製作家の名前なんです(※編集部注)。同じく、ガルネリ・デル・ジェスも、バイオリン製作家の方の名前です。ストラディバリと同じ時代に実在したバイオリン製作家で、ストラディバリと並び、バイオリンの歴史の中で最も有名なバイオリン製作家のお一人です。

ニコロ・アマティというバイオリン製作家の、ストラディバリは弟子、ガルネリ・デル・ジェスはひ孫弟子らしいんですが、この二人、かなり対照的なタイプだったようです。

ストラディバリが、一生懸命働き、いっぱいバイオリンを作るという勤勉実直な、秀才タイプなのに対し、ガルネリ・デル・ジェスは、ものすごく破天荒な方で、一種の変人だったそうです。人を殺して刑務所の中へ入れられたが、その中でもバイオリンを作っていた、とか、お酒と女性に溺れて最後には変死してしまった、などという伝え話も残っているようです。

お二人とも、とても優れたバイオリンを作ったんですが、ストラディバリに比べ、ガルネリ・デル・ジェスの作ったバイオリンは、ものすごく数が少ないんですね。そのため現在、希少価値という点で、ストラディバリよりも、ガルネリ・デル・ジェスのバイオリンの方が人気が高いんです。

我々は、そのガルネリ・デル・ジェスのデータを偶然にも入手することができまして、それが"BRAVIOL(ブラビオール)"開発の重要なヒントとなったんです。
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- "BRAVIOL(ブラビオール)"は、ガルネリ・デル・ジェスのバイオリンの
復刻ということなんでしょうか?

いえ、復刻ということではありません。現代のバイオリンを作る条件。例えば木の材料、ニス、弦などは、昔のものとは異なっています。仮に同じ材料を揃え、全く同じバイオリンを作ろうとしても、同じ音の出るバイオリンを作ることはできません。

我々が試みたのは、"ガルネリ・デル・ジェスの思想"を活かそう、ということでした。ガルネリ・デル・ジェスは、どういう楽器を作りたかったのか?その事を考えながら、まったく新しいバイオリンを作ろうとしたのです。
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編集部注: |
ここでは、人名をストラディバリ(Antonio Stradivari)彼の製作したバイオリンをストラディバリウス(Stradivarius)と表記しています。
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- ガルネリ・デル・ジェスの思想?

ガルネリ・デル・ジェスの生きた時代は、おそらく、さほど"音量"を要求されなかった時代だっただろうと思います。当時、バイオリンは室内で弾かれるものでした。王侯貴族の夕食会や教会で、小さな音で、場に彩りを加えるための、いわば演出をする楽器だったのではないかと思います。"脇役"の楽器だったんじゃないかと。

しかし、ガルネリ・デル・ジェスは、"脇役"のためではなく、自分の思いをより多くの人に伝えるための"主役"の楽器として、バイオリンを作ろうとしていたような気がするんです。
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多くの人に、自分の思いを音で伝えるためには、より大きな音、より繊細な音、より表現力豊かな音が必要です。そして、彼のバイオリンは、まさしくそれらの要素を持ったバイオリンだったんです。彼の時代の一般的なバイオリンは、音量も小さく、20人に思いを伝えればいい、という楽器が多かった。ところが彼のバイオリンは2000人に思いを伝えたい、という楽器だったんです。

大きなコンサートホールでも、豊かに大きく響くバイオリン。ガルネリ・デル・ジェスの思想は、時代を飛び超えて現代にも通用する、いえ、今だからこそ必要な考え方だったんじゃないかと思うんです。

彼の製作したバイオリンで得たデータ。そこから我々が、読みとろうしたのは、そんな彼の思想だったんだと思います。
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