space 21世紀の匠たち

手のひらに乗るスタジオQY10
space ヤマハサイレントシリーズ 中田卓也
space 中谷宏

スキーバスの中で曲づくり
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- QYシリーズが生まれたきっかけを教えていただけますか?
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もう、10年以上前になりますか・・・。その頃ヤマハは、QX1、QX3など、どちらかというとプロ向けのシーケンサーを作っていました。ところが、他社製のものがどんどん価格が下がって安くなり、その中から大変よく売れたシーケンサーが登場したり、という状況があったんですね。で、「そのシーケンサーに勝つものを作れ!」という指示がありまして、新しいシーケンサーを企画することになったわけです。
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中田卓也
ただ単に同じようなものを作ってもつまらないし、値段が安くなるだけじゃ何の面白みもないね、ということで、若い連中を集めまして、色々ブレストをやって、今までになかったものを、作ってみようじゃないか、ということになったんです。
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そのとき、色々話しているうちに、ある若いスタッフが、そいつは実はスキーが趣味だったんですけど「スキー場に行く途中、バスの中でもできるようなもの・・・」と、ふと言ったんですよ。
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あ、これじゃないかなって、ピンときました。
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- それで、あんな小さなものに・・・。
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ええ。それまでのシーケンサーは、音源も何も無いものですから、それ一台では音をだすことができなかった。シーケンサーの周りにシンセサイザーとか色んなものを置いて、それらを自動演奏させるような形だったんですね。
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ですから、部屋から持ち出すなんてことはできない。いざ曲を作ろうと思ったら、その部屋へ行って、用意をしてですね、なんか精神統一をするかのように、順番にスイッチを入れて・・・なんてことをやらないといけない。とても、手軽に曲を作るという感覚じゃなかったんですよ。
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で、一気にそこから脱皮しちゃおう。ということでコンセプトは『バスの中でも作曲のできるシーケンサー』にしちゃいました。そうすると、当然シーケンサーの機能だけではダメなんですね。打ち込んだ結果をすぐに聞きたいんだったら電子音源を入れなきゃいけない。という話になり、どんどん詰め込んでいくと、これ、ほとんどオールインワンになっちゃうね、というところまで行き着いたわけです。
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QY10
QY10
そこで、大きくしてしまったんじゃ面白くないんで、とにかく小っちゃくしたいと思いました。バスの中へ持って行かなきゃいけないわけですから大きさにはこだわりますよね。
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小っちゃいもので、どこへも持ち運べる。なおかつそこで音も確認できる、というふうに決まっていったわけです。

VHSサイズへのこだわり
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- ちょうどビデオカセットのサイズくらいでしたよね。
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中田卓也
はい、大きさなんですが、最終的にVHSサイズにこだわりましてね、最初はB5ぐらいの大きさだったのかな、でも本と同じサイズじゃなあ・・・ってことで、じゃあ、パスポートサイズ。でも、パスポートまで小さいのは、さすがにいかんなあ、となって、手頃な物はないかなあ、とまわりを見ていたら、VHSサイズのテープが転がっているのが目に入って、あ、この大きさなら行けるんじゃないかな、と思ったんです。
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これなら、非常にお客さんにも伝わりやすい。VHSの大きさで、持ち運びができて、こんなこともできます、というふうに。コンセプトは固まって、開発に入ったわけです。

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