Spot Light

ピアノ一つで色んなアプローチの仕方があると思います。今回のレコーディングはアンサンブルの醍醐味を味わえた幸福な時間でした。

Guest

松本 あすか さん(Matsumoto Asuka)

クラシックでグルーヴ!
センセーショナルかつ新鮮なコンセプトでデビュー、新しい風を送りこむピアノ界の妖精はどこまでもアクティブで好奇心旺盛な女性。子供の頃からのピアノとの関わり、そして挫折を経て新しく見出したものは?

やめたいと思ったことはあってもピアノを嫌いになったことはない。
やめたいと思ったことはあってもピアノを嫌いになったことはない。 母が声楽をやっており、自宅でピアノを教えたりもしていたので物心付いた頃から家中に音楽が溢れていました。2歳上の姉もピアノを習っていたので私も自然に始めましたね。小学校一年生のときは毎日1時間、二年生になると毎日2時間、三年生で3時間。。。と、最終的に高学年までに5-6時間練習する習慣がついてきました。もちろん友達と遊びたいから練習が大切とわかっていてもやめたくなったことは数知れず。(笑)でもピアノが嫌いになったことはありませんでした。
将来の夢はピアニストかプロレスラー!
将来の夢はピアニストかプロレスラー! 小さな頃からおてんばでいつも走り回っている子供でしたが、ピアニストになりたいと言う思いはどこかにあったのだと思います。幼稚園の卒園アルバムに「ピアニストかプロレスラーになりたい!」と書いていましたから。(笑)
 小学校2年生のときに初めて国際コンクールを受けて、入賞してしまったおかげで色々なところから演奏する機会をいただくようになりました。そのまま18歳まで大きな疑問もなくピアノを弾いてきたのですが、この頃、この道は自らが選んできた道なのだろうか?と自問自答するようになりました。そう考え始めると、具体的なものはわからないけれど何かが重く圧し掛かってきたんです。それで一度リセットしてみようと、リュックかついで伊豆大島に脱出! 海外というのは大げさたし、でもここなら誰も追っかけてこないだろうと思ったんですね。
 ずっとクラシック以外の音楽を聴くことに罪悪感を感じていました。大好きな米米クラブやクラブ系音楽を布団の中でヘッドフォンして聴いていたくらいですから。そんなこともすべて影響したかもしれません。
逃避行の失敗は楽譜を持っていたこと。
逃避行の失敗は楽譜を持っていたこと。 色々考えたかったし、これからのことも含めて。でもそれはきっと特別なことではなくて18歳と言う年齢であれば、悩むべきことを悩むときだったのかも知れませんね。ピアノを弾いていることがごく普通に当たり前だった自分に対して、それは本当に自分が望んだことだったのか、これからどうして行きたいのか、きちんと考えたかったんです。
唯 一、大きな失敗はリュックに楽譜を入れてきてしまったこと。。。島にピアニストのお姉ちゃんが来ていると伝わってしまい、ぜひ小学校でコンサートをやってくれないかと言う話が飛び込んできました。ピアノを止めようか、続けようかと悩んで島に来たのに、結局コンサートをやることになり、これがまたとっても好評で、うちでもやってくれ、あっちでもやってくれ。。。と色々やる羽目になってしまいました。(笑)逃避行は失敗です。
島の子供達から教えられた。「素直」であること。
島の子供達から教えられた。「素直」であること。 子供って本当に純粋なんですよ。曲目なんか知らなくても、楽しい曲には「楽しい!」と反応するし、暗い曲や怖い曲には「怯え」ます。これにはまいりました。私が独りで難しく考えすぎているのかしら? もっと素直に純粋にピアノに向かえばいいんじゃない?と。子供達に教えられました。
 それから家に戻り、音楽の専門学校に入りました。世の中のことをちゃんと知りたい、広く音楽というものをとらえたいと思ったからです。ここからジャズやポップスの勉強を始めたんですが、ある日先生から「これやってみない?」と薦められたのがカプースチン。これにはすっかりハマリましたね。
 クラシック音楽以外の勉強はしましたが、ジャズやポップスの方向に行こうと思っていたわけではなくて…。やはりクラシックが私のベースになっていますし、流れている血もクラシックだと思っているので。ただ、あの当時は純粋に広く音楽や世の中のことを知りたかっただけだったと思います。
アプローチの方法はいくらでも、入り口はどこでもある。
アプローチの方法はいくらでも、入り口はどこでもある。 ファースト・アルバムを作ることになった時、その時のありのままの自分を表しました。ピアノ・ソロからアレンジヘ、そこにリズムが加わり、ストリングスで厚みが。。。多重録音も。
 一概にピアノ・アルバムと言ってもアプローチの方法はいくらでもあると思うんですよ。どの入口、どの切り口からでも入って来れるように、そんな風に考えて作っています。例えば私の「展覧会の絵」を聴いた人がここで興味を持って下さり、オーケストラの「展覧会の絵」に手を伸ばしてくれるかもしれない。それってすごくうれしいですよね。どこから来られてもOK、どこから出てもOK、でもその中で私のアルバムに何か一つ感じてもらえれば。かつて少しでもピアノをやっていた方には懐かしいメロディも詰まっています。
アルバムのサポート・メンバーは超ゴージャス!
アルバムのサポート・メンバーは超ゴージャス!  レコーディングはとても幸せでした。何せ米米CLUBの大ファンでしたからMATAROさんがパーカーッションを担当して下さったり、ドラムは神保さん。。。レコード会社様さまです(笑)! ファースト・アルバムもセカンド・アルバムもお手伝いいただきました。ぜひ聴いて下さい!!!
 普通ピアノは打楽器としての面もあるので、リズム楽器とのデュオ・セッションは少ないと思います。ピアノは一台でなんでも出来てしまうところがすごい部分であり、寂しい部分。言わば独りアンサンブルができてしまう。実はパーカッションもそんな面があって、そんな楽器同士がセッションをすると。。。?網目がたくさん、織り目もいっぱいある面白さが生まれました。弾いていて最高にキモチよかったです。
 ちなみにセカンド・アルバムの「マンテカ」は2台ピアノ、自分一人の多重録音なんです。音質にも相当こだわりました。そうそう。。。 これは世界初収録なんですよ。自分的には大満足に仕上がったアルバムなのでぜひ聴いて下さい!
 音楽の楽しみ方は十人十色、関わり方もね。でもきっとそれは生活に大きな楽しみと喜びをもたらしてくれると思うんです。もしもそのきっかけが私のピアノであったりするととてもうれしい。
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Profile (プロフィール)

松本 あすか | Matsumoto Asuka
松本 あすか | Matsumoto Asuka

3歳よりピアノを始める。ピティナA1級金賞(6歳)。プレミオモーツァルト国際コンクールに日本代表として参加、最年少第3位及びプレミオモーツァルト賞受賞(7歳)。イタリア国営テレビ「ゼッキノドオロ」メインゲストとして招待を受け渡伊、生放送にて演奏(8歳)。その後ヨーロッパを中心に演奏旅行、各国で好評を得る。ウィーン音楽コンクールインジャパン小学生の部第3位(12歳)。14歳でソロリサイタルを府中の森芸術劇場にて開催。日本クラシック音コン中学校の部第2位(15歳)。カール・ツェルニー国際コンクール(プラハ)第3位(16歳)。ピティナコンチェルト部門最優秀賞。
 18歳の時、より広く音楽を勉強するためクラシックピアノから離れ、JAZZ/POPSの勉強を始める。以後5年間は様々なジャンルのアーティストのサポートや作詞作曲活動、クラシック演奏家向けのジャズアレンジ等を行う。
 23歳の時、自分なりのクラシック音楽への関わり方に確信を持った上で、再度クラシックピアノに戻り、ピティナグランミューズA1カテゴリーにてロシアの奇才ピアニスト、カプースチンの作品を演奏し第1位を受賞。
 クラシック音楽にグルーヴ感を吹き込むその演奏スタイルは、クラシックの枠組みに収まることなく、ジャンルを飛び越え、聴くものに新たな感動と感覚を呼び起こさせる。各ジャンルの橋渡しを担うであろう今後の活躍が期待されるピアニストである。

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Works (作品)

「PIANO ESPRESSIVOⅡ」
松本 あすか
「PIANO ESPRESSIVOⅡ」松本 あすか

好評発売中
キングレコード
KICC-804
3,000円(税込)

華やかであり、激しくもある圧倒的なスケールを感じさせる演奏も健在!さらに進化したピアノ界の革命児、松本あすかの新たなる魅力を感じさせる1枚です。

「PIANO ESPRESSIVO」
松本 あすか
「PIANO ESPRESSIVO」松本 あすか

キングレコード
KICC-691 
3,000円(税込)

クラシックにグルーヴ!
クラシック音楽に、新たな響きと感動を呼び起こさせる、松本あすかならではのクラシカル・ヴァリエーションの世界。

「松本あすかアーティストスコアブック
PIANO ESPRESSIVO」
監修 : 松本あすか
「松本あすかアーティストスコアブック PIANO ESPRESSIVO」監修 : 松本あすか

ISBN978-4-904231-09-8 
2,940円(税込)

各方面から大絶賛されたデビューアルバム《PIANO ESPRESSIVO》楽譜化を望む多くの声に応え、マッチングスコアがついに発売!アルバム収録の楽曲を、松本あすか本人の監修により完全楽譜化。

Official Website (オフィシャルウェブサイト)

Pianist Lounge Express (ピアニスト・ラウンジ エクスプレス) 「今」の音楽シーンをリアルタイムに発信アーティストの舞台裏、制作現場もお楽しみに。

松本あすか「ヤマハクラビノーバを語る」

 私は長年アコースティック・ピアノを愛用してきたので当然のことながら生の音が大好き!
けれども18歳を過ぎて色々視野が広がってくると電子ピアノならではの良さや魅力をクラシックの世界でどうやったら活かせるのかということをとても考えるようになりました。

 それはリズムだったり、音色だったり、色々あるのですが、先日一番新しいクラビノーバCVPシリーズを試弾してからもう驚いたのって何のって。。。「行くとこまで行っちゃってる!!!」と言うカンジでした。(笑)これ一台あったら私は一生遊べるかも? すごい可能性の塊です。
 300年前にピアノと呼ばれるものが世に出てきてから、多くの改良が加えられてきたのではないでしょうか。そうして今のピアノがある。その課程には歴史的環境も大きいけれど、作曲家の存在が絶大だったのではないかしら? この楽器だからこの曲が書かれた、次にこの曲をよりよく表現するためにこの楽器のこの部分が改良された。。。とか、お互いの存在があって今に至っているように思うのです。

 アコースティックはすでにあらかた完成してしまっているのでは。つい先日、「これからピアノはどこに進んでいくのかなぁ?」とぼやいていたら、私の信頼する調律師の方が一言、「そりゃあ電子でしょう!」と。(笑)私も「そっかー!」なんて。。。立場からするとちょっと微妙な発言ですが(笑)、一音楽人として冷静に時代の趨勢を見られていると感じました。その先端技術の一つがクラビノーバだったり、AvantGrandだったりするのでしょうね。私は私の音楽を表現する、お客様に楽しんでもらう上で電子楽器が必要だと思っているし、自分自身も楽しんでいます。まだまだピアノの世界、面白くなっていきそうです!

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