麻倉 サラウンドだけじゃなくて、2chのステレオモードも非常にグレードアップしましたね。これも感心した点です。
竹下 せっかく音質を最重視し、スピーカー容量も大幅に増やすんだから、オーディオのヤマハとして2chの音もしっかり楽しめる製品にしようと。そこでステレオの再生用として、単品スピーカーにも使われているツィーターを「YSP」としては初搭載しています。
麻倉 たしかにヤマハファンは、映画ソフトだけでなく、日常CDもよく聴く音楽好きが多い気がします。これも『YSP-5100』らしい個性の出し方ですね。ちなみに従来のステレオモードの際は、ビームスピーカーの一部を使っていたんですか?
田中 はい。ウーファーに加えて、左右2個ずつのビームスピーカーをツィーターとして使用していました。ただ、それだと音圧的に限界がある。かといってツィーターの個数を増やすと干渉の問題が出てくるんです。
麻倉 先ほど試聴した印象では、ステレオについてもやっぱりウーファーキャビネットを大きくした効果が出てる気がしますね。特別重低音を鳴らさなくても、もともとの低域がしっかりしてるから中高域の歪みが少なく、透明感もぐんと映えてくる。ヴォーカルものの自然な臨場感などもなかなかでした。
竹下 音質は、どこまでいっても最終的にはアコースティックですから。そこは、バックキャビティの偉大さです(笑)。
麻倉 CDの音はもちろん、HDオーディオ音源も非常によかった。音像感がクッキリとしてきて、場の空気感もリアルに再現され、サウンドと映像のマッチングもよりしっくり来た感じがします。
竹下 今回初めてHDオーディオの音作りをしてみて、それは深く感じました。DVDの場合は圧縮音源なので、どうしても音が濁るというか粗くなる部分があったのに対して、つながりが滑らかになり音場感が出るようになったなと。ブルーレイの真価をサウンド面から実感できたのはいい経験でしたね。
加藤 もう1つ新しい試みとしては、テレビメーカーさんと開発段階から密に情報交換をして、HDMIによるリンク機能も強化しています。例えば、東芝「REGZA」(9000番)であれば「おまかせサラウンド」といって、EPGのジャンル情報を「YSP」が受けてシネマDSPが自動連動する新機能を盛り込みました。これも使ってみると非常に便利なんですよ。
麻倉 HDMIリンクは通常メーカーの囲い込み戦略だけど、そこはテレビを作ってないヤマハならではの強みがありますね。11年の完全デジタル化に向けて、今後薄型テレビの需要はさらに増していくはず。ハイビジョンに見合う音文化を底上げする意味でも、さらなる音質向上を期待しています。
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無線の送受信ができる独自ワイヤレス伝送技術「AirWired」を採用。別売の「iPod」用ワイヤレストランスミッター『YIT-W10』を使用すれば、「iPod」再生や『YSP-5100』の電源ON/OFF、音量調整も手元で行なえる。 |
| V I E W P O I N T |
フロントサラウンド市場を創った
ワン&オンリーな技術と矜持 |
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ホームシアターの大原則は、映像と音声のマッチング。いかに高精細なハイビジョンコンテンツも、サウンドがプアだと魅力は半減する。テレビのスリム化が急激に進む今、フラストレーションを抱えている視聴者層も増加しているはずだ。『YSP-5100』はそんな現状に対するヤマハからの回答だ。「ワンボディでリアルサラウンド」という基本哲学はそのままに、音質という原点に回帰する姿勢は立派。今やフロントサラウンドの分野ではワン&オンリーの存在だが、個人的にはライバルの参入・奮起による市場全体の活性化も望みたい。
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