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    [評]GLAY 公演 策を弄さないサウンド

    配信日: | 配信テーマ:Jポップ

     デビューから23年がたっても、今なおライブで圧倒的な観客動員数を誇るGLAY。息の長い人気の理由はどこにあるのか。現在も続くツアーをのぞいた。
     この日は7月に出したアルバム「SUMMERDELICS」の収録曲中心。それでいて、「誘惑」「Winter, again」などのヒットを連発した頃と変わらぬバンドの熱を放ち、人の心を引きつける豊かなメロディーを随所で聴かせた。TERUが観客に「同じ時代を歩んで行けたら」と呼びかけたあたりに、今の音への自信が見て取れる。
     GLAYのGLAYたるゆえんは、2人の全く異なるタイプのギタリストがいることだ。TAKUROは1960〜70年代のロックを思わせる、渋く味のあるプレー。HISASHIはデジタルで先鋭的な、華やかな音。両極端のギターが、バンドの振れ幅を大きくしていた。暴れ馬のような2人を、JIROの堅実なベースプレーが手綱のように引っ張る。
     そして、TERUの衰えを知らない歌唱力。「年が明けたら結婚しようよ」と、歌謡曲を思わせる、意外な歌い出しの新曲「あなたといきてゆく」は、95年の「ずっと2人で…」の続編的バラード。このライブの時点では未発売だったが、優しさと芯の強さが同居する声で歌うとまるで往年の名曲のように聞こえた。年月をかけて関係を築いていくという曲に込められた普遍的なテーマを、バンドに重ねているようだった。
     策を弄(ろう)さない、ストレートなロックサウンド。それでいて、各メンバーの際立った個性。長い人気には理由があった。(鶴田裕介)
     ——10月27日、東京・日本武道館。

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