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    [ショウタイム]5年ぶり フュージョンの音楽祭 クロスオーバー・ジャパン

    配信日: | 配信テーマ:その他

     ◆9月15日 「クロスオーバー・ジャパン」 高中正義・野呂一生・清水興に聞く 
     日本のフュージョンの代表的な担い手が集う音楽祭「クロスオーバー・ジャパン」が15日、東京・有楽町の東京国際フォーラムで開かれる。2003年の初開催以来、今回で5回目。常連参加者であるギタリストの高中正義、カシオペア3rdを率いるギタリストの野呂一生、ナニワエキスプレスのリーダーでベーシストの清水興の3人が顔をそろえた。(清川仁)
     ■お祭り的要素
     ——5年ぶりの開催となる感想を。
     清水 また、みんなに会えるのがうれしいね。
     野呂 楽屋が楽しそう。
     高中 イベントのスタッフが、とても音楽好きで熱いんですよ。
     ——初年度は出演者交代時の機材設置作業中に、清水率いる急造メンバーによる舞台隅でのセッションが興味深かった。
     清水 「次の幕あいで誰かしませんか」と、楽屋に声をかけて回った。個々のバンドのカッチリしたショーと、緩いセッションがあったら両極端で楽しいかなと思って。決まり事なしでやるのも好き。
     ——お祭り的な要素が色濃く、2005年の高中の舞台には野呂がゲスト出演。高中の代表曲「ブルー・ラグーン」とカシオペアの「朝焼け」を合体させ、観客を驚かせた。
     高中 何で思いついたかは忘れたけど、「朝焼け」は好きだったんだよ。
     野呂 最初、「なんて大胆な発想を」と思った。
     清水 舞台裏で聴いていて、すごいことやっとるなあと思ったよ。
     高中 自分が嫌いなはずのテレビ的な発想だったかな。でも、サーフボード形のギターを弾いたり赤いスーツを着ちゃったり、面白いことをやりたいんだよね。
     ——この2曲は、初出のアルバムが共に1979年。発売がわずか1週間違いだった。
     野呂 知らなかった。
     清水 たった1週間とはね。
     ■高中のアレンジ
     ——野呂と清水は同い年。年上で先にデビューした高中にはどんな印象を?
     野呂 「マンボNo.5」(77年)のアレンジはすごいと思った。
     清水 衝撃だったね。
     高中 あれぐらいやらないと振り向いてもらえないから冒険したんだ。僕が初めてドキッとした格好良さを感じたのは、米国のギタリスト、リー・リトナーや米国のバンド、スタッフ。リトナーのデビュー盤「ファースト・コース」(76年)は良かった。
     野呂 東京・六本木のピット・インで見たリトナー&ジェントル・ソウツのライブが印象的だった。レコードと違うことをやってることが新鮮に思えた。
     ■70年代後半
     ——70年代後半のフュージョン隆盛の理由をどう考えるか。
     野呂 機材が発展し、音楽の過渡期だった。ジャズをやりたかったバンドも、フュージョンをやらされた。カシオペアは今年40周年で、私が記念のベスト盤の選曲を行った。初期の曲を聴くと、当時は凝ってると思ったことが、楽器もアナログでこんなにシンプルなのかなと感じた。
     ——フュージョンやインストゥルメンタル音楽に魅了され、貫く理由は。
     高中 歌が下手だから。
     清水 ライブでは時々歌うけど商品にはならんな。
     野呂 メンバー全員に見せ場があるから。一時期、ボーカルをゲストで呼んだことがあったけど、それでも楽器の音を聴かせることは変わらなかった。
     ——高中の秋からのソロ公演では、ボーカルを入れてヒットした「渚・モデラート」(85年)を披露するそうだが。
     高中 当時は、シャカタク(英国のフュージョンバンド)が歌を入れてはやって悔しかった。ああいうヒット曲を出したいと、何曲か作ってみたんだよね。でも、ギターを弾く時は、ボーカリストの気分。ギターで歌う、ということなんだよね。
     
     〈クロスオーバー・ジャパン〉
     2003年、よみうりランドEASTで初開催され、04年、05年は代々木第一体育館で行われた。12年に東京国際フォーラムで「クロスオーバー・ナイト」との名称で復活。今回は名称を元に戻して、15日午後6時から同所で開催。出演は他に、鈴木茂 BAND WAGON。(電)0570・550・799。

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