音楽ジャーナリスト&ライターの眼 ~今週の音楽記事から~

新聞社の音楽記事、音楽ライターによる書き下ろし記事を集めたウェブサイトです。(毎週、月・木更新)

新聞記事

つぶやく・ブックマークする

    <らっこ・ライブ・レビュー>JUJU ジャズと魅力を高め合う

    配信日: | 配信テーマ:Jポップ

     今、最も手に入れにくいチケットの代表が、JUJUのジャズライブである。というわけで、6日間2ステージ制にもかかわらず、会場はキリどころか針も立たないほどの超満員だ。思うに「いつかはブルーノートに行ってみたい」という層には、Jポップの人気者で、かつ実力派とされるJUJUならば、またとない選択なのであろう。もちろん、JUJUファンにとっては、広島からニューヨークに渡り音楽を極めようとしたJUJUの原点を目の当たりにできるわけであるから、それは晴れがましい儀式的な場と言ってもいいのである。

     そんな溶融寸前の空気の中、ピアニストで作編曲家・島健をリーダーとする現代日本で望みうる最高の手だれミュージシャン(4管+ギター+リズムセクション)が出そろうと、いつものように帽子からハイヒールまで黒ずくめのスタイルでJUJUの登場である。何をか言わん、もう、ここでJUJUは勝利した。

     ジャズファンの目からすれば、選曲はほとんど洋楽ポピュラーであるし、歌唱法もジャズとは言い難い。でも「そんなこと今日のライブに何か意味があるの!?」と言わんばかりにJUJUの歌は徹底して攻撃的、積極的である。テーマである「うっとり」とはいかない。逆にそれが、まさにジャズが本来備えているべき活力あふれる痛快さを会場に問う。1曲目の「レディ・イズ・ア・トランプ」の意味する「彼女はおてんば」が、ギグ全体を貫き通すのである。JUJUは、本人の魅力をジャズによって高めつつ、ジャズの魅力を広めているのだ。9月23日に横浜の「ブルーノート・ジャズ祭」で黒田卓也とコラボし、10月10日「ジュジュの日」には東京国際フォーラムでビッグバンドと共演する。JUJU・JAZZの共生はこれからが本番か。8月10日・ブルーノート東京。【川崎浩】

    新聞記事一覧を見る

    Jポップ のテーマを含む関連記事

    [評]ライジング・サン・ロック・フェスティバル 新進からベテランまで 

     全国各地でロックフェスティバルが開かれるようになった昨今、邦楽系フェスは出演者が似通い、独自色が出しにくくなったと言われる。そんな中、新進気鋭のSuchmosから高橋幸宏、鈴木慶一といったベテランまで、幅広い年齢層や好みに対応。北の大地にふさわしい、包容力あるラインア...

    <大衆音楽月評>危ない中年が与える生気=専門編集委員・川崎浩

     桑田佳祐のソロアルバム「がらくた」(ビクター、8月23日発売)が、発売初週に16・8万枚を売り上げ、4日付オリコン週間ランキング1位を獲得した。桑田のソロ活動30周年記念盤ということで近年のヒット「Yin Yang」「ヨシ子さん」やNHK連続テレビ小説「ひよっこ」の主...

     

    ページの先頭へ戻る

    • RSS
    • お問い合わせ