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    2015年11月、『オズフェス・ジャパン2015』開催。日本のフェス・カルチャーのさらなる進化

    配信日: | 配信テーマ:洋楽


    2015年11月21日(土)・22日(日)、幕張メッセで『Ozzfest Japan 2015』(以下オズフェス)が開催される。

    2013年5月にブラック・サバスとスリップノットをヘッドライナーに迎えて行われた『Ozzfest Japan 2013』から2年ぶりとなるこのフェスだが、2014年11月の『Knotfest 2014』(以下ノットフェス)も同じH.I.P.社の主催であり、3年連続で幕張メッセでの“洋楽ヘヴィ・ロック・バンド+邦楽ロック・バンド”によるフェスが行われることになる。

    今回ヘッドライナーを務めるのは21日(土)がKoЯn、22日(日)がオジー・オズボーン&フレンズだ。

    KoЯnはノットフェスではスリップノットに次ぐセミ・ファイナルとして出演したが、現代ヘヴィ・ロックを代表するバンドのひとつであり、実力・格ともにトリに相応しいバンドだ。デビュー・アルバム『KoЯn』発表から20周年という節目であり、海外では同作完全再現ライヴが行われているため、日本でも実現する可能性は高い。バンドの代表曲中の代表曲である「ブラインド」はもちろん、ヴォーカリストのジョナサン・デイヴィスのトラウマの傷口をこじ開ける「ファゲット」「ダディ」などが披露されるライヴは、このフェスを単なるお祭り騒ぎで終わらせない特別なものになるだろう。

    2015年3月、オズフェス開催が発表されたとき、当初ヘッドライナーは2013年同様にブラック・サバスとなる筈だった。オジーの奥方でありマネージャーのシャロン・オズボーンが“最後の日本公演”とビデオ声明を出したが、4月下旬に“出演者の諸事情”により、ブラック・サバスは出演キャンセル。サバスのシンガーであるオジー・オズボーンが“オジー・オズボーン&フレンズ”を率いて出演することになった。

    気になる“フレンズ”だが、オジーのサバスでの盟友ギーザー・バトラー、オジーのソロ・バンドで長くプレイ、ブラック・レーベル・ソサエティで活動するザック・ワイルド、そしてレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのトム・モレロと発表された。トム・モレロはオジーの相棒ギタリストだったランディ・ローズから影響を受けており、ランディ・トリビュート作では「クレイジー・トレイン」で参加するなど大ファン。御大オジーとの共演は大期待だ。

    サバス出演キャンセルの理由についてはさまざまな憶測が流れたが、どうやらフェアウェル・ツアーは2016年のアルバム発表後に仕切り直しらしく、改めて日本でプレイしてくれるのを楽しみにしたい。

    オズフェスの前月、2015年10月には『ラウド・パーク15』が開催される。どちらもヘヴィ色の濃いバンドが出演するフェスであり、事実オジー、KoЯn共に過去『ラウド・パーク』のトリを務めたことがあるが、両フェスの出演アーティストを見てみると、かなりカラーが異なっていて興味深い。

    スレイヤー、メガデス、アンスラックス、テスタメント、ハロウィンなど“これぞメタル!”という顔ぶれを揃えてきた『ラウド・パーク15』に対し、オズフェスのセミを務めるのはエヴァネッセンスとジェインズ・アディクションだ。実はエヴァネッセンスからKoЯnという流れは2004年2月、『ソニックマニア』フェスでも実現したことがあり、オールド・ファンなら懐かしいかも知れない。

    ジェインズ・アディクションが日本を訪れるのは2002年の『フジ・ロック・フェスティバル』以来となる。この年はレッド・ホット・チリ・ペッパーズがトリ、クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジも出演するという、ヘヴィ・ロック勢の活躍が目立ったフジロックだが、いわゆるメタルとは一線を画している。

    さらにオズフェスにはメタルコア/ポスト・ハードコアの新星オブ・マイス・アンド・メン、“メタルコア”という名前が生まれる前からゴリゴリのメタル+ハードコアをやってきたヘイトブリード、そしてブレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン、ザック・ワイルド率いるブラック・レーベル・ソサエティらも出演する。

    一方、日本代表として出演するのは、ノットフェスにも登場したONE OK ROCKやSiM、2013年のオズフェスにも参戦済のFEAR, AND LOATHING IN LAS VEGASなど、イキの良い面々。若いバンドがエキサイティングなステージ・パフォーマンスを見せて、若い観衆が盛り上がるのは、端から見ても気持ち良い。

    単独公演だとチケット入手が困難を極めるBABYMETAL、やはり2013年のオズフェスに参加した人間椅子らも参戦を表明している。

    実は1990年代、シャロン・オズボーンはオズフェスの日本開催について「日本ではロック・フェスティバルで1日を過ごすという風習がない」と消極的だった。だが時代は変わった。2回目のオズフェス・ジャパンは日本のフェスティバル・カルチャーをさらに進化させるイベントとなるだろう。



    <公演情報>
    OZZFEST JAPAN 2015[オズフェス ジャパン ニーゼロイチゴ]
    2015年11月21日(土)・22日(日)
    OPEN 10:00/START 12:00(両日共通)
    http://ozzfestjapan.com

    2015年7月30日音楽ジャーナリスト&ライターの眼(1版)掲載 執筆記者:山崎智之

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