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    2013年5月、ジョルジオ・モロダーが初来日。世界を踊らせてきたスーパー・プロデューサーの新たな挑戦

    配信日: | 配信テーマ:洋楽

     2013年5月、ジョルジオ・モロダーが初来日公演を行う。

     このニュースは、日本中の音楽ファンを驚かせた。1960年代から最前線で活躍してきたトップ・プロデューサーでありコンポーザーであるモロダーだが、ステージ・パフォーマーとしてはまったくの未知数だからだ。

     ちょっと年季の入ったポップ・ミュージックのファンだったら、モロダーの名前が記載されたCD・レコードが必ず何枚か、自宅にあるはずだ。ブロンディ「コール・ミー」、アイリーン・キャラ「フラッシュダンス…ホワット・ア・フィーリング」、リマール「ネバー・エンディング・ストーリー」、ドナ・サマー「アイ・フィール・ラヴ」、デヴィッド・ボウイ「キャット・ピープル」……どれも持ってないよ? という人であっても、映画『トップガン』、『オーバー・ザ・トップ』、『メトロポリス』、『ミッドナイト・エクスプレス』のDVDを持っていたりするだろう。また、モロダーが所有していたドイツ・ミュンヘンのミュージックランド・スタジオではローリング・ストーンズ、レッド・ツェッペリン、ディープ・パープル、クイーン、Tレックスなど、錚々たる顔ぶれがレコーディングを行ってきた。

     一匹狼が多いプロデューサー業において、モロダーは多くの若手を育てたことでも知られている。ラインホールト・マックやキース・フォーシー、ハロルド・ファルターメイヤーなど、数々の名プロデューサーが彼の元から巣立っていった。

     モロダーの音楽スタイルといえば、シンセサイザーを取り入れたポップなエレクトロ・ダンス・ミュージックが有名だ。1970年代前半には実験色が濃かった電子音楽のハードルをぐっと下げて、ポップ・ミュージックの主流にしたのは、彼の功績が大きいだろう。特にドナ・サマーの「アイ・フィール・ラヴ」はインパクトが大きく、ブライアン・イーノは興奮してデヴィッド・ボウイに「未来の音楽を聴いた!」と叫び、この曲を聴きたくてフレディ・マーキュリーをニューヨークのゲイ・ディスコに入り浸らせることになった。もしモロダーがいなかったら、YMOやヒューマン・リーグ、デュラン・デュランなどの音楽性は、大きく異なったものとなっていただろう。その影響力は今日でも大きく、2012年にはダフト・パンクが『ランダム・アクセス・メモリーズ』で彼とコラボレーションを行っている。

     それにしても興味深いのは、スタジオ・ワークの魔術師としてポップ史上に名を残すモロダーが、パフォーマーとして日本のステージに上がることだ。彼が手がけてきたグレイテスト・ヒッツ連発のDJセットとなるのか、それともシンセサイザーの腕前を披露するのか。今回の来日では、DJクリス・コックスが彼をバックアップすることが発表されている。コックスは1980年代からプロデューサー兼リミックサーとして活動してきたベテランで、マイケル・ジャクソンやマドンナ、プリンス、カイリー・ミノーグ、ブリトニー・スピアーズなどのリミックスを手がけてきた。

     現時点では彼らがどんな曲を披露することになるのか、サポート・ミュージシャンの参加があるのか、不明な要素が多い。世界で誰よりも多くの人々を踊らせてきたモロダーの音楽が、着席して飲食しながら聴くライヴ・レストランでどう機能するのかも興味深い。

     昨年ルイ・ヴィトンのファッション・ショーのために音楽を提供、「フロム・ヒア・トゥ・エタニティ」「アイ・フィール・ラヴ」「ザ・チェイス」などをノンストップでプレイ。来日公演の直前、5月20日にはニューヨークでDJセットを行うことも決まっており、日本でのショーの成功いかんによっては、今後の彼のキャリアの方向性は大きく変わることになりそうだ。

     73歳にして前進を続けるジョルジオ・モロダーの日本初見参は、ポップ・ミュージックの歴史における重要なイベントと言って過言でない。



    ◎来日公演
    ジョルジオ・モロダー featuring DJ クリス・コックス
    5月27日(月)~28日(火)
    ビルボードライブ東京
    サービスエリア 8,900円 / カジュアルエリア 6,900円(1ドリンク付)
    INFO: http://www.billboard-live.com

    2013年5月23日音楽ジャーナリスト&ライターの眼(1版)掲載 執筆記者:山崎智之

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