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    Chageインタビュー《夕涼みコンサート2011 A.Y.A. for East Japan》を終えて

    配信日: | 配信テーマ:Jポップ

    (取材・文:長谷川誠)

    10代の時、デビューのきっかけとなったポプコン(ヤマハポピュラーソングコンテスト)に出場したChageさんは、ヤマハとゆかりの深いアーティスト。《夕涼みコンサート》では司会も努めてくれたChageさんは、現在、全国ツアー中。そんなお忙しい時間を縫って、いろいろお話ししてくださいました。

    ――《夕涼みコンサート2011 A.Y.A. for East Japan》でChageさんは「アイシテル」と「まわせ大きな地球儀」を歌われましたが、あの時のあの場所にふさわしい歌だなと感じました。想いの詰まった歌が素晴らしかったです。

     あの2曲は自分のコンサートでも歌っているんですけど、3月以降、歌の世界観がガラッと変わったんですよ。2011年の今に当てはまる歌になったなって。きっとそういうところも音楽の奥の深さなんでしょうね。音楽って、人々と寄り添って一緒に歩いていくものなんだな、人々の背中を押していくものなんだなって、最近、痛感しています。

    ――Chageさんは他にもいろいろなチャリティ・イベントに参加されてますが、このイベントの話が来た時、どう思われましたか?

     ずっと東北のことが気になっていたので、チャンスを与えていただいて、ヤマハさん、ありがとうって思いました。しかも出演者をみると、ポプコンのラインナップが新旧問わず並んでいる。ヤマハという名前のもとに宮城に集まったのは素晴らしいことだなと思いました。僕が打ち上げで座ったのが吉川団十郎さん、中村貴之さん、因幡晃さんとご一緒の席で、僕が最年少でした(笑)。団十郎さんに“ポプコン何回目の出場?”って聞かれて“16、17回目です”って答えたら、“若いね”って(笑)。そういう意味でも、僕も本当に楽しみました。伝説の団十郎さんにも生で会えましたし。若いミュージシャンたちも含めて、音楽を通して、何かを伝えようという気持ちがひしひしと伝わってきたし、宮城の人たちの笑顔もとっても素敵でした。

    ――ステージ上でも「笑顔に会えてよかった」とおっしゃってましたよね。

     むしろ僕が逆に励まされました。震災以降、悩んだ時期もあったんですよ。今、音楽をやっていいんだろうか、そんな場合なんだろうかって、無力感を感じた時期もありました。でも5月に銀座で《Chageの茶会2011》というライヴをやったんですが、僕の歌を聴きに来て、元気になってくれる人がいるんだって実感して、自分には歌うしかないんだな、音楽を通して自分の気持ちをそのまま素直に届けたらいいんだなって。仙台のイベントに来たみなさんからも、くじけちゃいけないんだ、前に進んでいくしかないんだって逆に教えられた気がしたんですよ。僕らは発信する側ですけど、聴いてくれる人がいるからこそ、歌えるんだということも改めて感じました。

    ――当日はどんな意識でステージに立ちましたか?

     歌うのが「アイシテル」と「まわせ大きな地球儀」だったので、歌詞がストレートに伝わればいいなって。初めてChageを観るお客さんたちもいっぱいいるだろうから、そのひとりひとりに届けられたらいいな、そしてそのひとりひとりを辿っていくと、必ず被災された方にも辿り着くだろうから、そういう人たちへの元気や笑顔のパイプ役になれたらと思っていました。

    ――「まわせ大きな地球儀」ではたくさんのハンカチが回っていました。

     もともとは《Chageの茶会2011》で始めた企画で。何か、被災地に向けてできないかなってことで始めました。ハンカチを回している人たちも気持ちいいと思うんですけど、ステージから観ている僕らも気持ちいいんですよ。ブンブン回してくれるので、ものすごくいい景色になる。(笑)。仙台でも会場で何枚かお配りしたんですが、茶会に来てくれた方々もいらしたみたいで、青いハンカチが回っている光景を見て、グッとくるものがありました。他にもいっぱいいろんな色のハンカチがあって、その光景も素敵でした。あと、野外なので大きな木があって、観る角度によっては、ステージを邪魔しているんですが、その木の横から身を乗り出して見ている人たちがいて、かわいらしくて、いじらしくて(笑)。

    ――Chageさんは司会もされました。

     やれと言われれば、なんでもやりますよって。だって、断る理由がないですもん。僕でよければ、いくらでも参加させていただきますという気持ちはありました。

    ――アンコールでも登場して、出演者みんなで「まわせ大きな地球儀」を歌ったのも印象的でしたが、やってみて、いかがでしたか?

     楽屋で「この曲のギターコードは3つしかないので、大丈夫ですよ」って(笑)。みなさん、いろんなものを回して、一緒に歌ってくれたので、とても楽しかったです。今回のヤマハさんのイベントに参加させていただいて、改めて、自分の立ち位置を再確認しました。先輩の方々もいらっしゃるし、後輩の若手のミュージシャンもいる。自分はその間にいる存在なので、幹事的な役割というか、先輩と若手との間を繋ぐ役割なのかなって。

    ――イベントが終わって、どんなことを感じましたか?

     ミュージシャンも一生懸命、それぞれの想いを伝えようとしていたし、スタッフも一生懸命やっていた。その結晶が来てくれたお客さんたちの笑顔なのかなって思いました。このイベントは僕にとっても大きくて。今、《Chageの細道2011》というツアーをやっているんですが、2011年がキーワードなんですよ。改めて自分が今年やっている音楽活動の方向性は間違ってなかったなって確信できました。そういう意味でもありがたかったです。

    ――《Chageの細道2011》で東北には?

     まだ詳細は決まっていないんですが、必ず行きます。なので、もうちょっと待っててください。現在、西日本中心に回っているんですが、西側のありあまる元気をいただいているところなんですよ。その元気、笑顔を蓄えて、東北に持って行こうと思っています。

    Chage(チャゲ)/福岡県出身
    1978年、高校時代からの友人・飛鳥涼(現:ASKA)と共にチャゲ&飛鳥として第16回ポプコンに出場し、「流恋情歌」で入賞。翌年、第17回大会でも「ひとり咲き」で入賞を果たし、同曲でメジャーデビュー。またたく間に日本の音楽シーンのビッグネームとなり、以来、第一線で活躍を続ける。現在はソロでの活動を中心にアルバム制作やライヴ活動を行なう。2009年からは、ライヴイベント《Chageの茶会》や、アコースティックバンドスタイルでの《Chageの細道》ツアーを開始。今年のステージでも、ミュージシャン&エンターテイナーとしての実力と、その温かい人柄を全開にしている。2011年1月より、TV番組「遠くへ行きたい」(読売テレビ・日本テレビ系)のテーマ曲(作詞:永六輔、作曲:中村八大)のシンガーを担当。最新曲は、2011年5月にライヴで発表され、ファンからCD化を熱望されていたシングル「TOKYO MOON」。カップリングには「遠くへ行きたい」を収録。
    公式サイト http://www.chage-aska.net/

    2011年10月13日音楽ジャーナリスト&ライターの眼(1版)掲載 執筆記者:長谷川誠

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