YAMAHA News Release
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■さらにリアルな歌声合成とより使いやすいユーザインターフェースを実現

歌声合成ソフト 「VOCALOID™」の新バージョン
『VOCALOID™3』を開発

- 2011年9月末発売予定 -

VOCALOIDTM3

2011年6月8日

 ヤマハ株式会社(本社:静岡県浜松市中区中沢町10-1、社長:梅村 充)は、当社の歌声合成ソフト「VOCALOID(ボーカロイド)」の新バージョン『VOCALOID3』を開発しました。これにより、音楽制作者に対し、さらに高品質な歌声合成音と使いやすい楽曲制作環境を提供していきます。
 なお、この『VOCALOID3』はこれまで一体で提供していた、楽曲制作ソフトウェア(「VOCALOID3 Editor」:主に入力などのインターフェース部分)と歌声ライブラリ(歌手の声のデータ)を分離して提供いたします。「VOCALOID3 Editor」は9月末に発売開始を予定しており、歌声ライブラリについても当社よりライセンスを受けた各社より、順次発売される予定です。


<開発の背景と概要>

 「VOCALOID」は、2003年に当社が開発した歌詞とメロディーを入力するだけで楽曲のボーカルパートを制作できる歌声合成ソフトウェアで、2007年からは従来の「VOCALOID」をバージョンアップさせた「VOCALOID2」を提供しています。「VOCALOID2」のライセンス契約により発売された「初音ミク」*注1や「がくっぽいど」*注2などのソフトウェアを使用して、ユーザーが個人あるいはオンライン上の共同作業で制作した楽曲は、ニコニコ動画やYouTubeなどの動画ポータルサイトに多数発表されており、バーチャルシンガーによる楽曲として大きな話題を呼んでいます。
 また、当社では2009年4月にネットワーク上のサーバーで動作するサービス「NetVOCALOID」(ネットボーカロイド)を開発し、インターネットや携帯電話のサービスプロバイダー向けに提供しているほか、2010年12月にはより手軽に「VOCALOID」が楽しめるよう、iPad向けの「iVOCALOID-VY1」およびiPhone向けの「VocaloWitter」(旧名称:iVOCALOID-VY1t)を提供しています。
 今回開発した『VOCALOID3』では「VOCALOID2」をバージョンアップし、合成音の改良をはかるとともに、より使いやすいユーザインターフェースの採用で楽曲制作の効率をさらに向上させています。
 なお、この『VOCALOID3』では、これまで一体で提供していた、楽曲制作ソフトウェア(「VOCALOID3 Editor」:主に入力などのインターフェース部分)と歌声ライブラリ(歌手の声のデータベース)を分離して提供いたします。これにより、ユーザーは基本ソフトウェア部分を共通で使用しながら、歌声ライブラリのみを選択し、追加していくことができるようになります。
 当社は今後も「VOCALOID」およびその周辺の技術・サービスを通して、作詞・作曲の楽しみと、新たな音楽体験を提供してまいりたいと考えております。

 『VOCALOID3』の主な特長は以下のとおりです。

<『VOCALOID3』の特長>

1.さらにリアルな歌声合成音

合成アルゴリズムの改良と、合成音の品質向上により、従来の「VOCALOID」「VOCALOID2」の合成音に比べてさらにリアルな歌声を合成することが可能となりました。歌声ライブラリには、これまでよりも大きな単位でサンプルを持つことが可能になり、よりなめらかな合成音が実現されています。また、従来苦手だった早口の合成音についても改良を加え、より自然な発音で合成できるようになりました。さらに、これまでは音程が変化すると、サンプルが切り替わるところで突然音色が変化する場合がありましたが、『VOCALOID3』の合成エンジンでは音色の変化がスムーズに行われるように改良を加えました。

2.使いやすいユーザインタフェース(「VOCALOID3 Editor」)

楽曲制作ソフトウェア「VOCALOID Editor」のユーザインタフェースを一新しました。従来のピアノロールスタイルのエディタ画面に加えて、各トラックを管理しやすくするために、「DAW(Digital Audio Workstation)」のようなトラックビュー画面も導入しました。各トラックには複数のパートを配置することが可能で、歌声パートの編集がより効率的に行えます。
また、従来にはなかった伴奏(オーディオファイル)再生機能も搭載しており、ステレオとモノラルのオーディオデータがそれぞれ1トラックずつ再生可能です。これにより、合成した歌声と伴奏を同時に視聴しながら楽曲を制作したり、ブレスなどの効果音を効果的に使用することができるようになりました。
さらに、「VST Host」機能を搭載することで、合成した歌声にリバーブなどのエフェクトを付加することができ、「VOCALOID3 Editor」単体で一通りの楽曲制作が可能になりました。
また、「VOCALOID Job Plugin」機能により、歌声トラックの編集機能を拡張することが可能になったほか、外部モジュールにより、音符やコントロールパラメータなどの内部データにアクセスし変更することも可能になります。これにより、独自の歌い回しの表現などを自動的に付加することも実現できます。「VocaListener(ボーカリスナー、略称:ぼかりす)」*注3もヤマハ株式会社が「VOCALOID Job Plugin」として開発し、発売する予定です。
なお、「VOCALOID2」の歌声ライブラリは、「V2 Library Import Tool」を使い、「VOCALOID3 Editor」でも使用することが可能になります。(一部のライブラリのみインポート可能。有料の場合あり。)
「VOCALOID3 Editor」の対応OSは「Windows XP」「Windows Vista」「Windows 7」です。

3.歌声ライブラリと楽曲制作ソフトウェアを分離して販売
従来は、歌声ライブラリに常に楽曲制作ソフトウェアがバンドルされる形で販売されていましたが、今回の『VOCALOID3』では楽曲制作ソフトウェア(VOCALOID3 Editor)と歌声ライブラリを別々に販売してまいります。これにより、ユーザーは基本ソフトウェア部分を共通して使用でき、歌声ライブラリのみを選択し追加していくことができることから、様々なタイプのライブラリを扱え、楽曲制作の可能性が大幅に拡がります。
なお、歌声ライブラリには機能限定版の楽曲制作ソフト「Tiny VOCALOID3 Editor」が付属します。
「VOCALOID3 Editor」は「VOCALOID Store」 *注4より発売されますが、歌声ライブラリはこれまで通り当社からライセンス提供を受けた各社から発売されます。
「VOCALOID3 Editor」と「Tiny VOCALOID Editor」(歌声ライブラリに付属)の機能の違いは、以下の通りです。

 

「VOCALOID3 Editor」
(VOCALOID Storeより販売)

「Tiny VOCALOID3 Editor」
(歌声ライブラリに付属)

編集・再生可能なトラック数

16

1

最大小節数

999

17

エフェクト

VST Host機能により好みのエフェクトを付加

リバーブのみ(固定)

VOCALOID Job Plugin 機能

あり

なし

V2 Library Import Tool

あり

なし

4.多言語対応
従来の日本語と英語に加え、新たに中国語、韓国語、スペイン語に対応いたします。各国語の歌声ライブラリを用意すれば、その言語での歌声の合成が可能となります。また、「VOCALOID3 Editor」のメニュー表示も簡単に使用言語のローカライズが可能になります。
なお、今後も対応言語を増やしていく予定です。
5.合成API、プラグイン仕様の公開
当社とライセンス契約を結んだ法人や個人に対して、合成エンジンのAPI*注5を公開いたします。これにより、従来のユーザインタフェースにとらわれない新たな歌声合成ソフトウェアの開発が可能になります。
また、前述の「VOCALOID Job Plugin」についても仕様を公開いたします。これにより、ユーザーが独自の「VOCALOID Job Plugin」を開発することが可能となります。開発された歌声合成ソフトウェアや「VOCALOID Job Plugin」は、「VOCALOID Store」を通じて配布することが可能です。
さらに、合成エンジン自体のライセンスも開始いたします。これにより例えばPC上でのゲームアプリなどで歌声合成機能を使用することも可能になります。
[注1] 「初音ミク」はクリプトン・フューチャー・メディア株式会社の登録商標です。
[注2] 「がくっぽいど」は株式会社インターネットの登録商標です。
[注3] 「VocaListener(ボーカリスナー、略称:ぼかりす)」は独立行政法人産業技術総合研究所が開発した技術です。このように歌わせたいと考える目標歌唱を録音した音声ファイルを与えると、VOCALOIDの音符やコントロールパラメータなどの内部データを自動設定してその歌い方を真似できます。これにより、手軽に高品位な歌声合成結果が得られます。
[注4] 「VOCALOID Store」はビープラッツ株式会社が運営する「VOCALOID」製品や関連商品を販売するオンラインショップです。
[注5] APIは「Application Program Interface」の略称で、アプリケーションソフトを開発する際に、その手間を省き簡潔にプログラムできるように設定されたインターフェースです。

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