■VOCALOID(ヴォーカロイド)をハードウェア化

歌声合成ソフト「VOCALOID」と同等な機能を持つ、
各種機器に組み込み可能なハードウェア『VOCALOID-board』を開発

〜ロボットなどあらゆる機器への組み込みが可能に〜


 ヤマハ株式会社(本社:静岡県浜松市中区中沢町10-1、社長:梅村 充)は、当社の歌声合成ソフト「VOCALOID(ヴォーカロイド)」と同等な機能を持つハードウェア『VOCALOID-board(ヴォーカロイドボード)』を開発しました。これによりVOCALOIDの歌声・音声合成機能を様々な機器へ組み込むことが可能となります。

 当社ではこの『VOCALOID-board』を、介護・エンターテイメント等向けのロボット、音響機器等各種機器に組み込むことにより、VOCALOIDの持つ可能性をより広い分野に広げ、幅広いユーザーに普及・浸透することを目指します。
なお、この『VOCALOID-board』は、日本科学未来館および東京国際交流館にて開催中の「DIGITAL CONTENT EXPO 2010(10月14日〜17日)」に、10月15日より展示致します。


<開発の背景と概要>

 「VOCALOID」は、2003年に当社が開発しライセンス販売を開始した、歌詞とメロディーを入力するだけで楽曲のボーカルパートを制作できる歌声合成ソフトウェアです。当社から「VOCALOID」のライセンスを受け発売された「初音ミク」*注1や「がくっぽいど」*注2などのソフトウェアは、ユーザーがこうしたバーチャルシンガーを使用して、個人あるいはオンライン上の共同作業でオリジナル曲を創り、歌わせ、その様々な楽曲をニコニコ動画やYouTubeなどの動画ポータルサイトに発表したことから、多くのメディアに取り上げられ大きな話題を呼びました。また、2009年4月にはネットワーク上のサーバーで動作するサービス「NetVOCALOID」(ネットヴォーカロイド)を開発し、インターネットや携帯電話のサービスプロバイダー向けに提供しています。

 しかし、従来はVOCALOIDの利用はパソコン上でのみ可能なため、利用範囲が限定されていました。今後VOCALOIDの歌声合成技術をさらに広い分野やユーザーに利用していただくために、単体機器でもVOCALOIDの機能が動作するハードウェアの開発を進めてまいりました。

 今回開発した『VOCALOID-board』は、従来のヴォーカロイドとほぼ同等な機能をひとつのボードに実装し、ロボット、カラオケ機器、電子楽器など単体機器に組み込むことを可能にしたものです。これにより、音声情報の入力をパソコン上での使用に限定することなく、MIDIインターフェースに接続したパソコンやMIDIキーボードなどのMIDI機器から送信されるMIDI信号に従って、歌声をリアルタイムで合成し出力することが可能です。なお、歌手データベースは、VY1などのVOCALOID2用の歌手データベースをSDカードにて供給します。


<『VOCALOID-board』の機能>

具体的な動作として、以下の3つの動作モードをサポートしています。

1.Playbackモード
PC版VOCALOID2エディタで作成されたVOCALOID MIDIデータに従って歌声の合成を実時間で行うモードです。
2.Realtimeモード
MIDIキーボード等のノートメッセージに従って、最小の時間遅れで歌声の合成を実時間で行うことのできるモードです。(歌詞データは前もって『VOCALOID-board』に転送しておきます。)
3.VoiceSynthモード
自由な韻律で歌・しゃべり声を合成する”VOCALOID-flex”と同等な動作をするモードで、VOCALOID-flex用のVSXMLデータをそのまま使用することができます。

以上の動作モードを全てコントロールすることのできるPC用コントロールアプリケーションも開発済みです。

VOCALOID-board概要図
VOCALOID-board概要図

『VOCALOID-board』写真
『VOCALOID-board』写真
※写真は技術試作品です。


<『VOCALOID-board』の使用イメージと今後の展望>

 『VOCALOID-board』の使用のイメージとしては、介護・エンターテインメント用ロボットやキャラクター玩具、カラオケ機器、電子楽器など、様々な機器への組み込みを想定しています。アライアンスプログラムでは、当社からのVOCALOID-board本体・(歌手データベースが書き込まれた)SDカード、及び組み込み時に必要な情報をパートナー企業に提供することを予定しております*。

 現在当社ではさらなる小型化を図るとともに、組み込みをより容易にするため、さらなる改良・開発を行っております。また今後は、VOCALOID-board の応用可能性を検討するため、興味をもつさまざまな企業に対して、評価利用を含めたアライアンスプログラムを提供していく予定です。

* 一般ユーザー向けの販売は予定しておりません。

文中の商品名、社名等は当社や各社の商標または登録商標です。
[注1]「初音ミク」はクリプトン・フューチャー・メディア株式会社の登録商標です。
[注2]「がくっぽいど」は株式会社インターネットの登録商標です。