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VOCALOIDが「しゃべり」に対応可能

ヤマハが歌声合成ソフトVOCALOID(ヴォーカロイド)の新バージョン
表現豊かにしゃべる機能を付加したVOCALOID-flexの提供を開始

〜歌唱/発話の多様な表現が実現可能に〜
2010年2月25日

 ヤマハ株式会社(本社:静岡県浜松市中区中沢町10-1、社長:梅村 充)は、当社の歌声合成ソフトVOCALOID(ヴォーカロイド)の合成エンジンソフトウェアをさらに進化させた形で、新たに「VOCALOID-flex(ヴォーカロイド フレックス)」として、提供を開始いたします。これにより、従来のVOCALOIDの歌唱合成機能だけでなく、今後はさらに表現豊かな「しゃべり」を付加して実現することが可能となります。
 当社では、このVOCALOID-flexの提案により、愛好者から一般の人々にユーザーが拡大しつつある歌声合成の楽しみに更なる表現力を加えるとともに、NetVOCALOID(2009年4月発表)との組み合わせで、幅広いユーザーに新たなVOCALOIDの可能性を普及・浸透を目指すものです。


<開発の背景>

 VOCALOIDは、歌詞とメロディーを入力するだけで、楽曲のボーカルパートを制作できる歌声合成ソフトウェアで、2003年に当社が開発し、ライセンス販売を開始しました。当社からVOCALOIDのライセンスを受け発売された「初音ミク」*注1や「がくっぽいど」*注2などのソフトウェアは、ユーザーがソフトウェア上のこうしたバーチャルシンガーを使用して、個人あるいはオンライン上の共同作業でオリジナル曲を創り、歌わせ、その様々な楽曲をニコニコ動画やYouTubeなどの動画ポータルサイトに発表したことから、多くの報道などや各方面で話題を生み、社会現象と呼ばれるほど人気を博しました。
 このような中、最近では曲中の叫び声やセリフなどの「しゃべり」の箇所をVOCALOID製品に付属する楽曲制作編集ソフトウェアを使用し、限られた範囲内でデータを作成し動画ポータルサイトに投稿するユーザーも現れ始めましたが、今までのVOCALOIDは歌唱のみをターゲットとしていた為にしゃべりの実現には多大な労力と時間を有する上、「しゃべり」特有の表現力にも限界がありました。 
 また、従来の音声合成の主流であるText to Speech(以下TTS)では、人間の感情や方言などを豊かに表現した音声を合成することは困難で、より人間の感情を豊かに表現した、新たな音声合成方式が望まれていました。
 当社ではこのような背景のもと、TTSなどの音声合成方式とは異なる形で、本来VOCALOIDが持つ歌唱合成技術を生かした形で表現力豊な「しゃべり」を実現するために、開発を進めてまいりました。

<VOCALOID-flexについて>

 今回開発したVOCALOID-flexは、歌声に比べ音の微細な変化が要求される「しゃべり」を実現する為に、従来のVOCALOIDでは実現できなかった、音韻(音素などの音の構成や長さ)や韻律(音の高さ、強さ)の細かな編集を可能にした歌声および発話の合成エンジンソフトウェアです。
 具体的には、これまで出来なかった母音の無声化(母音を無声音として発音するケース(例:北[ki ta]の[i]))や脱落化(母音を発音しないケース(例:〜です[de su]の[u])が表現可能となり、子音の長さならびに音の高さや強さも細かく編集することが出来るようになりました。その結果、より人間に近い発話が出来るようになり、話し声における細かいニュアンスや、表情豊かな方言等のアクセントやイントネーションもつけることが可能となりました。
 なお、VOCALOID-flexで使用する音声ライブラリは新たに新しい音の素材を追加することなく、既存の歌声ライブラリの活用が可能となります。

   ※VOCALOID-flex 概要図

VOCALOID-flex 概要図


<VOCALOID-flexの提供先>

 今後当社は、VOCALOID-flexを使って音声合成ビジネスを希望される各企業向けに、順次提供を開始してまいります。提供方法はソフトウェアのライセンスベースとなり、既に音声合成ビジネスを展開している企業をはじめ、エンターテインメント関連など業種を問わず幅広く提供を行う予定です。一般ユーザー向けの提供予定はありません。

<VOCALOID-flexの使用イメージと今後の展望>

 VOCALOID-flexをベースに、ライセンシー企業は、従来のVOCALOID同様PCソフトウェアビジネスをはじめ、ネットビジネスや、ハードウェアへの組み込み等、幅広く活用することが可能です。また海外展開も視野に入れVOCALOID-flexは英語版にも対応しております。ライセンシー企業がVOCALOID-flexを利用して「しゃべり」のサービスを実現するには、ヤマハから提供する合成エンジンソフトウェアであるVOCALOID-flexとVOCALOID-flexをコントロールするためのユーザーインターフェースアプリケーションが必要です。
 ユーザーインターフェイスアプリケーションとは、具体的には「しゃべり」を実現するために音韻や韻律を編集するためのアプリケーションで、当社はサポートいたしますが、ライセンシー企業自身でご用意頂きます。
 今後の具体的なビジネス展開例としては、エンターテインメント分野としては映画やアニメーション等の動画コンテンツのアフレコでの利用用途が想定されます。また、ロボットにしゃべらせること、キャラクター玩具等への展開も考えられます。その他の分野としては、工場現場や緊急時などに使われるアラート音声としても有効です。

<VOCALOID-flexの展開 第一弾>

 VOCALOID-flexを活用したビジネス展開の第1弾は、株式会社コナミデジタルエンタテインメントが4月29日に発売予定の人気ゲーム「METAL GEAR」シリーズ最新作「METAL GEAR SOLID PEACE WALKER」(カナ表記:メタルギア ソリッド ピースウォーカー)です。この登場キャラクターの音声制作ツールとして使用が決定しております。
[注1] 「初音ミク」はクリプトン・フューチャー・メディア(株)の登録商標。声優「藤田 咲」さんが演じるポップでキュートなキャラクター・ボイスを元に作り上げられたボーカル音源です。
[注2] 「がくっぽいど」は(株)インターネットの登録商標。ボーカリストGACKTの声を元に作り上げられたボーカル音源で、GACKTの声質を持ったまま歌声の合成音を得ることができます。
文中の商品名、社名等は当社や各社の商標または登録商標です。
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