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新開発の業務用フリータイプの防音室
■移設可能な防音室としては国内最高の遮音性能を実現

高遮音組立式コメントブースをNHKと共同開発

−NHK渋谷放送センターに第一号を納入−

NHKと共同開発した高遮音組立式コメントブース NHKと共同開発した高遮音組立式コメントブース

2009年5月13日

 ヤマハ株式会社(本社:静岡県浜松市中区中沢町10-1、社長:梅村 充)は、移設可能な防音室としては日本国内で最高の遮音性能を実現した高遮音組立式コメントブース(放送用原稿を読むスペース)を、NHK(日本放送協会)と共同開発。このたび試作品が完成し、今年4月にNHK渋谷放送センターへ第一号の事例としてコメントブースを納入いたしました。


<製品の概要>

 当社は1986年から防音室『アビテックス』シリーズの発売を開始し、現在、家庭向けに楽器練習などを用途とした「ユニットシリーズ」と自由設計の「フリーシリーズ」のほか、録音スタジオ、音響実験室、カラオケルーム、地域FM局など業務用途向けオーダーメイドタイプの『AMG』シリーズをラインアップしています。
 このたびの高遮音組立式コメントブースは、移設可能でかつ放送に使用する厳しい遮音基準を満たす仕様の防音室として、NHKからの依頼によって開発したものです。開発は2007年秋から行われ、基本的な設計や構造などの技術は当社の防音室のものを用い、NHKからは遮音性能の技術的なノウハウの提供、遮音性能実験へのNHK技術者の協力を得ました。

 実際の高遮音組立式コメントブースは、遮音パネルを二重にして壁面を構成し、かつ内側と外側のパネルの間に約20cmの空間を持たせることで、Dr-60(注1)という非常に高い遮音性能を実現しています。また遮音パネルの一部(外側パネルの内層部)に、新たに開発した複層パネル(空気層を可能な限り狭くし、振動をよりカットしやすい固定方法を採用)を採用しています。
 本ブースの遮音性能は、Dr-40の遮音パネルを約20cmのコンクリート層の内側に設置したレベルに匹敵し、移設可能な防音室としては国内最高の性能を実現しています。さらに、室内騒音も最低レベルを追究しています。

 このほど試作品が完成したこの高遮音組立式コメントブースは、今年4月にNHK渋谷放送センターへ納入したほか、放送に使用する高いレベルの遮音性能をクリアしたNHK標準仕様モデルとして全国のNHK放送局や民間放送各局にも導入が期待されています。さらに、当社の生産体制が整い次第、順次業務用防音室として一般に向けても販売を行っていく予定です。価格は、コメントブース内有効面積6m2〜10m2のモデルで約1,400万円〜1,800万円(運賃・工費・消費税等別途)を予定しています。
 詳細は以下の通りです。

<主な特長>

1.移設可能な防音室としては日本最高の遮音性能を実現
NHKとの共同開発により、「Dr-60」という、移設可能な防音室としては国内最高の遮音性能を実現しました。これによって、休み無く稼動中の報道部門の業務スペースへの設置や、放送局の建物躯体に手をつけることなくレイアウト変更にも柔軟に対応できるコメントブースなどが、実現可能となります。
2.新開発の複層パネルを採用
約20cmの空間を挟んだ2層構造の遮音パネルのうち、外側のパネルの内層部に、高遮音で空気層を可能な限り狭くする構造の複層パネルを新たに開発して採用、振動をカットする固定方法と合わせ、高い遮音性能を実現しました。
さらに、部屋部分の構造やパネルシステムなどは従来の『アビテックス』に準じており、組み立て・設置が簡単な点などの優位性はそのまま引き継いでいます。

NHKと共同開発した高遮音組立式コメントブースの構造図 NHKと共同開発した高遮音組立式コメントブースの構造図

3.室内騒音も最低レベルを実現
モーターの遮音化、空気流通システムの低騒音化を行うことで、換気システムの騒音を室内騒音レベル「NC-15」(注2)にまで抑制することに成功。外部からの音の進入を遮音するだけでなく、空調などによる室内騒音も最低レベルを実現しています。

<開発の背景>

 当社の業務用防音室は、録音スタジオなどの音楽関連用途のほか、企業や工場での音響実験室や検査室など静謐さが求められる用途に利用されることも多くなっています。
 また近年では放送局において、緊急時などにも対応できるよう、取材からオンエアまでのニュース放送の迅速化が求められており、当社にも、放送局の報道部門に隣接して設置し、速やかにニュースを放送するための移設可能なコメントブースの納入実績があります。この種のコメントブースは、報道スタッフなどが慌ただしく動き回る音を気にせず原稿を読むためにも利用されています。
 このたびの高遮音組立式コメントブースのNHKとの共同開発は、こうした当社の実績が認められた結果、公共放送を担うNHKの高い遮音基準を満たす設備を作り出すために行ったもので、当社の防音室技術と、NHKの持つノウハウを活用することで実現したものです。
 当社では、このたび開発した高遮音組立式コメントブースが、全国のNHK放送局や民間放送各局にも採用されることを期待すると同時に、当社の高い防音室技術が一般に認められ、静謐さが求められる企業や工場などの防音ニーズに応え、ビジネスの発展を目指しています。

<注>

1.遮音性能「Dr-60」「Dr-40」
2000年に日本工業規格によって改定された遮音性能を表す単位です。Drの数字が大きくなるほど防音力が高いことを示します。音圧が10dB(デシベル:音のレベルを表す単位)減ると耳に聞こえる音は半減します。例えば、ピアノの音は約90dBですが、遮音性能「Dr-40」では「かすかな話し声」程度、「Dr-60」では「ほとんど聞こえない」程度の音量となります。
*遮音性能は設置条件等により、表示される性能と異なる場合があります。
*通常防音室の遮音性能は防音室の外側で測定しますが、今回の高遮音組立式コメントブースは、その性質上防音室の内側で測定しています。
2.NC-15
室内騒音に関する基準・許容値で、「NC-15」は「放送スタジオ」(NC-15〜20)の高い方の上限です。ちなみに「ラジオスタジオ」は「NC-15」、「テレビスタジオ」は「NC-20」が、「映画館」「病院」「教会」「裁判所」「図書館」は「NC-30」といった値が推奨されています。なお当社の一般向け防音室は「NC-20〜25」となっています。

<ご参考>

●NHKにおける高遮音組立式コメントブースの必要性能
 ・単体遮音性能   Dr-60を満たすこと。
 ・室内騒音レベル   NC-15を満たすこと。
 ・内部音響   コメントブースに適した音響性能とする。
 ・FIX窓   1ヶ所設ける。
 ・最低室内高   CH2100以上とする。
 ・防振   防振性能を有すこと。

NHKと共同開発した高遮音組立式コメントブースの遮音性能 NHKと共同開発した高遮音組立式コメントブースの遮音性能

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