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当社初、音楽制作ソフトがオンライン上でも利用可能に

■ヤマハが歌声合成ソフトVOCALOID(ヴォーカロイド)を   
インターネット経由でサービスプロバイダー向けに提供を開始

〜4月9日より携帯電話ユーザー向けサービスとして利用可能に〜
2009年4月7日

 ヤマハ株式会社(本社:静岡県浜松市中区中沢町10-1、社長:梅村 充)は、当社の歌声合成ソフトVOCALOID(ヴォーカロイド)を、ネットワーク上のサーバーで動作するサービスNetVOCALOID(ネットヴォーカロイド)を開発し、このほどインターネットや携帯電話のサービスプロバイダー向けに提供を開始しました。NetVOCALOIDを活用した一般ユーザー向けサービスの第1弾が、KDDI公式サイトとして、クリプトン・フューチャー・メディア(株)から「ミクと歌おう」、(株)インターネットから、「ケータイがくっぽいど」が、それぞれ4月9日に開始される予定です。
 当社では、このNetVOCALOIDの提案により、社会現象化しつつある歌声合成の楽しみを、従来のパソコンユーザー向けだけではなく、携帯電話、ゲーム機、その他ネットワーク機器の一般向けのサービスに広く展開し、一層の普及・浸透を目指すものです。


<開発の背景>

 VOCALOIDは、2003年に当社が開発・販売を開始した、歌声パートの旋律と歌詞テキストを入力すれば、そのまま楽曲のボーカルパートを制作することができる歌声合成ソフトです。実際に収録した人の声を音声ライブラリとして合成するため、より自然な歌声を合成できるほか、ビブラートやこぶしなど歌声に必要な音程変化や抑揚を指定でき、表情豊かな楽曲を手軽に作れるのが特徴です。当社からライセンスを受け製品化された「初音ミク」注1や「がくっぽいど」注2などの歌声合成ソフトウエアは、10万セットを超えるヒットとなりました。なかでも、架空の16歳の女性歌手、という設定で発売された「初音ミク」は、バーチャルアイドルとしてユーザーが個人で、あるいはオンライン上の共同作業でオリジナル曲を創り、歌わせ、それをYouTubeやニコニコ動画などの動画ポータルサイトに発表したことが爆発的な話題を生み、社会現象となるほど人気を博しました。このような中、最近ではもっと手軽に歌声合成を楽しみたい、という一般ユーザーが増えてきています。一方、サービスプロバイダーにとっては、時間とコストのかかる新規の自社開発ではなく、ネットワーク上にあるソフトウエアを自社のサービスやコンテンツと組み合わせることのできる形態が望まれておりました。

<NetVOCALOIDのサービス展開について>

 今回当社が開発したNetVOCALOIDは、サーバー上にソフトウエアを実装し、サービスプロバイダー向けに歌声合成機能を提供するもので、いわゆるSaaS(サース注3)と呼ばれている事業形態です。サービスプロバイダーは、自社でソフトウエアを一から開発する必要がなく、また複数のソフトウエアを組み合わせることが手軽にできるので、付加価値の高いサービスを提供することができます。NetVOCALOIDでは、一般ユーザーからサービスプロバイダー経由で送られるシーケンスデータをNetVOCALOIDエンジンで歌声合成し、リバーブなどのエフェクトを付加したのち、オーディオデータに変換・圧縮しサービスプロバイダーのサーバーにダウンロードします。またこれらサーバー上の機能を呼び出すためのインターフェースには、Web API(Application Programming Interface)を使用しているため、アプリケーション開発者は独自にインターフェースのプログラムを開発することなく自社システムとの統合をはかることができます。

<NetVOCALOIDのサービス提供イメージと今後の展望>

 サービスプロバイダーはNetVOCALOIDからダウンロードされた歌声合成音を、パソコン、携帯電話、ゲーム機などさまざまな一般ユーザーの機器に、配信することができます。これまでPCパッケージソフトのみだった歌声合成ソフトのビジネスが、インターネットに繋がる機器であれば、様々なプラットフォームにおいて可能になります。これによって、例えばインターネット上のアバター(分身)に歌を歌わせたり、歌声合成を活用したインタラクティブなゲームに展開することも可能です。またロボットへの応用や、インターネット上での広告キャンペーン展開等でも活用が期待できます。
 当社は、今後サービスプロバイダーからの要望があれば新しいキャラクターの歌手データを作成し、NetVOCALOIDサーバーに組み込むサービスを提供いたします。また、サービスプロバイダー側でも独自に歌手データ注4を作成し、NetVOCALOIDサーバーに組み込むことも可能ですが、データ作成には高度な技術を必要とするため、サービスプロバイダーへの支援策も検討し、さらに音声合成ソフトの普及を目指していきたいと考えています。
 今後は、NetVOCALOIDを第一弾として、当社の保有する音の加工や音の制作などの技術をサーバー上に実装しサービスを提供することで、これまであまり例のない音楽サービスのSaaS展開を積極的にはかっていき、音楽制作の世界をより身近なものにしていきたいと考えています。

<NetVOCALOID主な仕様>

入力 シーケンスデータ(弊社オリジナル仕様のXMLファイル)
出力 歌声合成オーディオデータ(MP3ファイル / FLACファイル, 44.1kHz 16bit stereo/mono)
歌手データ 日本語 / 英語 (受託制作可能)
エフェクト リバーブ、コンプレッサー
API HTTP POST/GET メッセージ
[注1] 「初音ミク」はクリプトン・フューチャー・メディア(株)の登録商標です。
声優「藤田 咲」さんが演じるポップでキュートなキャラクター・ボイスを元に作り上げられたボーカル音源です。
[注2] 「がくっぽいど」は(株)インターネットの登録商標です。
ボーカリストGacktの声を元に作り上げられたボーカル音源で、Gacktの声質を持ったまま歌声の合成音を得ることができます。
[注3] SaaS(Software as a Service):サービス型ソフトウエア、ネットワークを通じて顧客にアプリケーションソフトの機能を必要に応じて提供する仕組み。または、事業形態そのものを指す。
[注4] 既存の他社製歌手データの使用を希望される場合には、歌手データ権利者との交渉が必要となります。

<NetVOCALOID概念図>

NetVOCALOID概念図

*旋律と歌詞を入力する楽譜編集部分は、サービス形態に依存するため、NetVOCALOIDエンジンには含まれていません
文中の商品名、社名等は当社や各社の商標または登録商標です。
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