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おんがく日めくり

12月 14日

オーストリアの作曲家、アルバン・ベルクのオペラ「ヴォツェック」初演(1925)

オペラに初めて無調音楽をとりいれた傑作

 「ヴォツェック」は20世紀のオペラの最高傑作といわれる作品です。作曲家アルバン・ベルク(1885〜1935)が1914年に詩人ビュヒナーの戯曲を見て感動し、そのオペラ化を決意してから11年半もかかって初演が実現しました。ベルクは第一次世界大戦に徴兵されたため仕事がなかなかはかどらず、8年がかりで台本とスコアを完成。今をときめくカルロス・クライバーの父で名指揮者のエーリッヒ・クライバーが指揮をとり、1925年12月14日にベルリン国立歌劇場で初演が行われました。全3幕で上演時間1時間30分余りの作品ですが、無調のオペラ音楽は歌手にとってもオーケストラにとっても前例がなく、初演にいたるまでなんと137回の入念な練習が重ねられた、とも言われています。

 「ヴォツェック」のストーリーは貧しく無学な兵卒ヴォツェックが、生活苦や内縁の妻の不貞が原因で狂気に陥り、とうとう彼女を殺して自分も死んでしまうという悲惨なもの。実在した人物と事件がモデルです。ベルクは無調をとりいれて作曲しましたが、まるで調性があるかのような叙情と美しさをそなえた音楽になっています。オペラのような大規模な作品に無調音楽がもちいられたのは、「ヴォツェック」が初めて。この点できわめて画期的な作品でした。しかも音楽と演劇との融合が緻密に考えぬかれ、過去にはない新しいオペラの効果を生み出したのです。

 初演に立ち会ったベルクは「クライバーのおかげで、僕はこれまで自分がそんなことはありえないだろうと思っていたほどに、音楽家として、劇作家として、理解されたのです」と妻に報告しています。しかし聴衆の評価は賛否両論。「たぐいまれな完璧さと独創性」と絶賛されるいっぽう「音楽的大混乱」と批判され、「普通の4倍の練習量が必要な難曲」という悪意に満ちた噂も流されました。「ヴォツェック」の真価が認められたのは1929年、オルデンブルク州立劇場の上演が成功をおさめてから。以後、人気の高いオペラとして定着し、各地で上演されつづけています。



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