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おんがく日めくり

02月 21日

ミリ・ヴァニリがグラミー新人賞を受賞するが、その後口パク容疑で剥奪される(1990)

グラミー史上唯一の不名誉な記録「受賞剥奪」

 浮き沈みが激しいのはショー・ビジネス界の宿命ですが、ここで紹介するミリ・ヴァニリほど、短期間のうちに天国と地獄を経験する、数奇な運命をたどった人たちも珍しいのではないでしょうか。

 ミリ・ヴァニリはドイツで結成された、ロブとファブの2人によるダンス・ユニット。当時はまだラップが今ほど一般的でなく、ある種の偏見を持って見られていた時代に、オシャレでルックスがよく、ダンスが上手く、ディスコ調のポップなナンバーにうまくラップを取り入れた彼らは、88年の全米デビューと同時に人気が爆発。「Don't Forget My Number」「Girl You Know It's True」「Blame It on the Rain」など、デビュー・シングルから4枚連続ナンバーワンという快挙を成し遂げ、グラミー賞を筆頭に数々の新人賞を総ナメにし、瞬く間にトップ・スターに上り詰めました。しかし同時に、そのグラミー新人賞の授賞式が、彼らの人生で最後の晴れ舞台になってしまうのです。

 問題は、実は彼らが歌など歌えず、CDでは影武者が歌っていたことです。最初からそう申告して辞退するか、人気が出た時点でその影武者をユニットに加入させたりすればまだ良かったのかもしれませんが、彼らは黙ったまま、グラミーでは御法度とされる「口パク」で授賞式に臨みます。その場は何とか無事に切り抜けはしたのですが、後に彼らを育てたプロデューサーと仲違いした際に、そのプロデューサーが「実は口パクだった」と告発してしまったから、さあ大変。直ちにグラミー史上初の、受賞剥奪。彼らのアルバムやシングルもすべて廃盤になったばかりか、だまされていたことを知ったファンたちが彼らのレコードを割り始めるという事態に発展したのでした。

 その後彼らは、ロブ&ファブという名前で、今度は「口パク」じゃないアルバムをリリースしますが、全くヒットせず。さらにプロデューサー側も、影武者ら同じ制作スタッフによるリアル・ミリ・ヴァニリをデビューさせますが、こちらも全くダメと、ミリ・ヴァニリの存在は音楽の歴史から抹殺されていきます。ロブとファブはその後、麻薬と酒におぼれる日々を送り、ファブは立ち直って今はダンサーとして活動しているようですが、ロブは98年にドイツのホテルの部屋で死体となって発見されました。死因は酒と麻薬の過剰摂取によるものだったとか。自業自得の部分もあるとはいえ、運命の残酷さを感じさせずにはいられません。



  • おんがく日めくりの更新は2002年10月をもって終了しました。
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