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おんがく日めくり

09月 17日

シューベルトの「弦楽五重奏曲ハ長調」初演(1850)

生涯最後の年に作曲され、没後に陽の目を見た室内楽の傑作

 「弦楽五重奏曲ハ長調」は、フランツ・シューベルト(1797〜1828)の室内楽では最後の作品です。1828年の夏に作曲され、1850年にウィーン楽友協会の定期演奏会で初演されました。死後22年も経ってから初演されたのは、シューベルトの内気で引っ込み思案で、もっぱら作曲に没頭さえしていれば満足、という性格にも原因がありそうです。

 シューベルトの家は、父がチェロ、自分がビオラ、二人の兄がバイオリンを弾くという音楽に満ちた家庭で、弦楽四重奏曲などは作曲したそばから身内で演奏できました。また、シューベルトを囲む友人たちも音楽の素養豊かな教養人が多く、友人宅で「シューベルティアーデ(シューベルトの集い)」と題した音楽会をひんぱんに開いていました。こうした、手書き譜さえあればすぐに演奏される環境に加え、シューベルト自身が自作の公開や出版に無頓着だったため、生前に出版された楽譜は、交響曲はゼロ、弦楽四重奏曲は19曲のうち1曲だけ、ピアノソナタは21曲中3曲のみ、といった具合。比較的評価されていた歌曲でも、全600曲以上のうち出版されたのは187曲だけでした。

 それでもシューベルトの才能が世に埋もれるのを惜しんだ友人達の奔走もあって、1828年の3月には初めての自作の公開演奏会が開かれました。ところが運の悪いことに、当時ヨーロッパを熱狂させていた大バイオリニストのパガニーニがちょうどウィーンを訪問中で、ほぼ同時期に演奏会を開いたのです。新聞の音楽欄はすべてパガニーニに占領され、シューベルトのそれは全く話題にもなりませんでした。

 こうしたこともあって、同年11月19日に腸チフスで亡くなるまで、シューベルトは華やかな名声とは無縁の生涯を送りました。しかしこの年は、彼の創作意欲が最大限に発揮され、交響曲第9番「ザ・グレイト」、3つのピアノソナタ、そして冒頭の弦楽五重奏曲など、多くの重要作品が生み出された年でもあります。これらは、死後シューマンなどに再発見され、今では音楽史上にさん然と輝く傑作との評価を受けています。


  • おんがく日めくりの更新は2002年10月をもって終了しました。
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