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おんがく日めくり

08月 07日

ジャズ・コルネット奏者、ビックス・バイダーベック没(1903〜1931)

白人ジャズの創始者の寿命を縮めた大恐慌

 1920年代、ジャズ史上はじめて白人ジャズを確立したコルネット奏者が、ビックス・バイダーベックです。もちろんそれまでにも白人が演奏するジャズはありましたが、それらはみな黒人の物まねでした。ところがバイダーベックの音楽は違いました。彼の吹くジャズは、感情がクールに抑制され、知的なムードを漂わせていたのです。もっともバイダーベックは、意図的に黒人とは違うジャズを生み出そうとしたわけではありません。自分自身を偽らずに表現することで、期せずして当時ルイ・アームストロング流の吹き方が主流だったジャズ・シーンに、まったく新しい表現方法を持ち込んだのでした。

 20歳でジャズの世界に身を投じたバイダーベックは、その独創的なスタイルでたちまち頭角をあらわしてきました。23歳の時には一流と言われたジーン・ゴールドケット楽団に、翌年には白人ビッグ・バンドの最高峰ポール・ホワイトマン楽団に入団したのです。富と名声を得て、輝かしい未来が開けているように見えたバイダーベックに、破局は突然やってきました。1927年10月24日、世界恐慌の引き金となったウォール街の大暴落によって、銀行に預金していた大金がすべて水の泡になってしまったのです。このことは彼に精神的にも、また肉体的にも大きなショックを与えました。恐慌時に身体をこわしたミュージシャンをやとってくれるような奇特な楽団もなく、バイダーベックの名は次第に人々の脳裏から忘れ去られていきました。そして1931年、ついに彼は第一線に返り咲くことなく、肺炎のため28歳の若さで世を去ったのでした。

 現在バイダーベックの演奏が聴ける録音は数えるほどしか残っていませんが、彼が確立した白人ジャズのスタイルは、今でも多くのミュージシャンに脈々と受け継がれています。



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