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おんがく日めくり

07月 31日

ジャズ・ピアニスト、バド・パウエル没(1924〜1966)

ピアノの神様テイタムを驚かせた波乱の天才

 もしこの人がいなければ、モダン・ジャズ・ピアノの歴史は変わっていたかもしれない…そう言われるほどジャズ史におけるバド・パウエルの存在は大きなものです。1940年代半ばにジャズ・シーンに登場したパウエルは、その超絶的な技巧と天才的なひらめきによって、ジャズ・ピアノの在り方を一変させてしまいました。たとえばピアノ、ベース、ドラムというトリオ編成。現在は当たり前になったこの編成を定着させたのはほかならぬパウエルでした。さらに彼はそのトリオ編成によって、それぞれの楽器の役割を明確にしました。リズムはドラムに、ベース・ラインはベースに振り分けることによって、ピアニストはより自由な即興演奏に専念することができるようになったのです。

 当時のパウエルの演奏がいかにすごかったかを伝える、こんなエピソードがあります。ある夜パウエルがジャズ・クラブで演奏していると、目の不自由な男が店に入ってきました。彼こそは誰あろう、ジャズ・ピアノの神様と言われていたアート・テイタムでした。近頃人気のパウエルがどれほどの腕前かを偵察にきたのです。1曲聴き終わったあと、テイタムはまわりの人間に「どうも彼は左手の使い方を知らないらしいね。」と声高に言いました。十本の指を駆使するテイタムの奏法に対して、パウエルのそれは、左手では主に和音を弾くスタイルだったからです。テイタムの言葉は当然パウエルの耳にも入りました。そして2曲目、彼は今度はテイタムが得意としていた曲を左手一本で、それもテイタムよりも速いテンポで弾いてみせたのです。さすがの神様もこれには驚き「パウエルは天才だ。しかしやつには言うなよ。しゃくだから。」と言い残して、そそくさと店を出ていったそうです。

 それほど素晴らしい才能を持ったパウエルでしたが、不幸なことに彼は若い頃から重度の精神病を患っていました。彼が天才的な能力を発揮できたのはほんの数年だけで、残りの人生は病と貧困にあえぐ不遇なものでした。しかしパウエルが残した音楽は、ジャズ・ピアノのバイブルとして、現在も多くのファンから愛されています。


イット・クッド・ハプン・トゥー・ユー 作曲:Jimmy Van Heusen 1999 YAMAHA CORPORATION

  • おんがく日めくりの更新は2002年10月をもって終了しました。
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