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おんがく日めくり

07月 17日

ジャズ・サックス奏者、ジョン・コルトレーン没(1926〜1967)

聖者になりたかったサックスの英雄

 今でこそ少なくなりましたが、70年代半ば頃までは、毎年7月17日になると、偉大なるサックス奏者、ジョン・コルトレーンの死を悼み、彼のレコードを一日中かけるジャズ喫茶がたくさんありました。多くのジャズ・ファンが、命日のこの日に彼の音楽を聴いて喪に服したのです。

 それほど崇拝され、神格化されているコルトレーンですが、彼はけっして天才肌のミュージシャンではありませんでした。50年代にマイルス・デイヴィス・グループのメンバーに抜擢された時には、評論家やファンから「あんなヘタクソなサックスはすぐにやめさせろ」とブーイングの声が出たほどです。しかし努力の人だったコルトレーンは、そのマイルスのもとで飛躍的な進歩を遂げました。その成果の一つがモード奏法(※)の導入です。ハーモニーに縛られることなく、より自由な即興演奏が可能になるモード奏法をものにしたことによって、コルトレーンの演奏は次第に激烈かつ精神的なものになっていきます。私生活の面でもインドのヨガに強く興味を持ち、シタール奏者のラビ・シャンカールについてインド音楽を学んだりもしました。彼が最初で最後の来日を果たしたのはちょうどその頃です(66年)。記者会見で「あなたの目指すものは?」と尋ねられ、「聖者になりたい。」と答えたコルトレーンの演奏は、しかし聖者のイメージとはほど遠い、激しいものでした。その1年後に彼が世を去ったことを考えると、来日公演での演奏の激しさは、燃え尽きる前のロウソクの炎だったのかもしれません。

 またコルトレーンは、演奏表現のために新しいサックス奏法を数多く開発しました。アルバム『ジャイアント・ステップス』のタイトル曲や2曲目の「カズン・メアリー」などに聴かれる、音符を敷き詰めたように鳴らすシーツ・オブ・サウンドや、倍音を使いこなすフラジオレットといった奏法は、現代のサックス奏者たちにも多大な影響を及ぼしています。

※モード奏法:モードとは音階のことで、いわゆる長音階(アイオニアン・モード)短音階(エオリアン・モード)のほか、民族音楽に基づくスパニッシュ・モードなど、さまざまな種類がある。モード奏法とは、モードをメロディ・ライン作りのよりどころにするとともに、音階音によって主要な和音を組み立てる奏法。これにしたがってアドリブを行うと、以前の複雑なコード進行にもとづくアドリブよりも旋律的に自由な演奏が可能になる。マイルス・デイヴィスとギル・エヴァンスが1950年代末にスパニッシュ・モードで『スケッチ・オブ・スペイン』などを録音して以来、ジャズ界に広く普及した。


カズン・メアリー 作曲:John Coltrane 1999 YAMAHA CORPORATION

  • おんがく日めくりの更新は2002年10月をもって終了しました。
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