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おんがく日めくり

03月 10日

ワーグナーの「ジークフリート牧歌」公開初演(1871)

愛する家族に捧げられた“階段の音楽”

 「ジークフリート牧歌」は、長大な楽劇で知られるワーグナー(1813〜1883)には珍しく、16名の小編成オーケストラで演奏できる小品です(バイオリン4/ビオラ2/チェロ1/コントラバス1/フルート1/オーボエ1/クラリネット2/ファゴット1/トランペット1/ホルン2)。曲の長さも約15分と彼にしては短めで(なにしろ楽劇「ニーベルングの指輪」は全曲上演4日間!)、メロディも親しみやすく、くつろいだ気分あふれる名曲として今でもよく演奏されています。

 この作品の公開初演は、1871年、マイニンゲン宮廷で行われました。しかし本当の初演は、前年のクリスマスにワーグナー私邸で密かに行われており、彼にとってもそちらの方が重要でした。12月25日は、妻・コジマの誕生日。そして曲名の「ジークフリート」とは、1歳半になったばかりの長男のことなのです。つまり、この曲は、待望の長男が生まれた喜びをこめて、妻コジマの誕生日にプレゼントした、私小説ならぬ“私楽曲”だったわけですね。ちなみに、コジマは大作曲家、リストの娘で、この日33歳を迎えました。

 ワーグナーは、コジマを驚かせるために、この曲の作曲と演奏を秘密裏に準備。当日の朝は、妻の寝室に上がるらせん階段に譜面台を立て、15人の楽員は台所で楽器の調子を合わせてから各自の位置へ。指揮者ワーグナーは階段の頂上に立ち、7時30分きっかりに演奏開始。何も知らずに寝ていたコジマは大感激、長女イゾルデ5歳、次女エヴァ3歳は“階段の音楽”と呼んでこの曲を面白がったそうです。

 ところで、最初にこの曲は16名で演奏できると書きました。それなのに楽員15名?タネあかしをしましょう。トランペットの出番は12小節しかなく、ラッパも吹けるビオラ奏者が、一人二役を演じたのでした!



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