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おんがく日めくり

12月 17日

サックス奏者、グローヴァー・ワシントンJr没(1943〜1999)

音符に“ソウル”を込めることのできた、フュージョンの巨星

 70年代から80年代にかけて、ジャズロックファンクとクロスオーバーし、フュージョンへと進化していった中で、ひときわ大きな輝きを放った巨星がグローヴァー・ワシントンJrです。ニューヨーク州に生まれ、父親はサックス奏者、母親は歌手、兄は教会のオルガン奏者、弟はドラマーという音楽一家に育った彼は、10歳からサックスを始めました。厳しいレッスンに音(ね)を上げそうになった彼に、母親はこう言って励ましたといいます。「この曲はただの『きらきら星』かもしれないけど、世界で一番ビューティフルな『きらきら星』にしてごらん。あなたならできるわよ。」……ただ音符を追うのではなく、そこにソウルを吹き込んで初めて生きた音楽になるということを、彼は母親から学んだのでしょう。

 さらに音楽学校で本格的に音楽を学んだ後、16歳からセッションマンとして活躍。ソウルフルに響くサックスが話題を呼び、71年に『インナー・シティ・ブルース』でソロ・デビューします。ジャズとソウルを融合させた独自の音楽性が人気を呼び、89年までに6枚のゴールド・アルバムをリリース。特に80年のアルバム『ワインライト』は、ひたすらメロウでロマンティックな雰囲気にあふれ、代表曲の「ジャスト・ザ・トゥー・オブ・アス」は恋のBGMとして当時欠かせないものでした。何せ当時、「クリスタルな恋人たち」なんて邦題が付けられていたくらいですから。

 しかし、意外にもこの『ワインライト』は、グローヴァーにとっては「自分らしさのない、不本意な作品」だったそうで、その後も音大に入り直したり、自分らしさを求める彼の旅は続きました。90年代には大ヒットこそありませんでしたが、クリントン大統領の50歳の誕生パーティーで演奏したり、映画『ブルース・ブラザーズ2000』のスペシャル・バンドに登場したりと、大物らしい話題をふりまいたグローヴァー。しかし99年12月17日、56歳の誕生日を迎えて1週間もしないうちに、テレビの収録を終えた直後に心臓発作で倒れ、そのまま還らぬ人となってしまったのです。遺作となったオペラアリア作品集『アリア』で、自身のルーツでもあるクラシックに新境地を見出した直後のことだけに、惜しまれる死でした。


ジャスト・ザ・トゥー・オブ・アス 作曲:Bill Withers,William Salter,Ralph MacDonald 2000 YAMAHA CORPORATION

  • おんがく日めくりの更新は2002年10月をもって終了しました。
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