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おんがく日めくり

01月 21日

フランスの作曲家、ジャック・イベールの「祝典序曲(改訂版)」初演(1942)

日本の紀元2600年を祝うために大作曲家に委嘱された曲

 交響組曲「寄港地」で知られるジャック・イベール(1890〜1962)はパリに生まれた作曲家です。パリ音楽院で本格的に作曲を学び始めたのは20歳になってからと、歴代の音楽家に比べれば遅いスタートで、当時の同窓生には後の「フランス6人組」(※1)を形成するダリウス・ミヨーアルテュール・オネゲルがいました。1914年に第一次世界大戦が始まり、イベールは志願して予備海軍士官となったため、「6人組」の活動に加わることはありませんでしたが、戦後復員した彼は、音楽院のコンクール「ローマ大賞」に応募して見事に一等を獲得し、大戦後初の留学生としてローマ留学を果たします。そのローマ滞在中に、すでにオスカー・ワイルドの原作による「レディング牢獄のバラード」(1920)や、「寄港地」(1922)などの作品を書き、特に「寄港地」は初演から大好評を博し、彼の名を全ヨーロッパに広めた出世作となりました。その後もオペラバレエなどの演劇はもちろん、60本以上に及ぶ映画とも関わり、1962年に生まれ故郷のパリで生涯を終えるまで、多彩な音楽を作り続けました。

 「ボレロ」で有名なかのラヴェルでさえ、オーケストレーションの名人として彼の名前を挙げているほどで、大作曲家としてイベールの名声はたいへんなものでした。1940年に紀元2600年(※2)を迎える日本のため、フランス政府からイベールの元へ祝典序曲を作曲するよう要請があったのは、彼が49歳のときでした。第二次大戦前の緊張した国際情勢の中で、政府から外交上の重要な役割を担う作曲を依頼されたことは、栄誉だったのではないでしょうか。翌年の4月にかけて完成された『祝典序曲』は、祝典を祝う人々の高らかな喜びを表すような主題で始まる演奏時間約15分の楽曲で、初演は1940年7月に東京で行われました。イベールはその後さらに推敲を重ねた「改訂版」を作り、その初演は1942年1月21日、シャルル・ミュンシュの指揮でパリにて行われました。

※1:6人組=ロシアの5人組に対応する形で呼ばれたフランスの作曲家集団の呼称。ダリウス・ミヨーアルテュール・オネゲル、ルイ・デュレ、ジュルメーユ・タイルフェーユ、ジョルジュ・オーリック、フランシス・プーランクの6名から構成される。エリック・サティは6人組のメンバーではないが、彼らの精神的父親ともいえる存在だった。
※2:この紀元とは、日本書紀の記述をもとに初代天皇とされる神武天皇の即位の年を皇紀元年とする暦。戦前の日本では公式に使われいてた。



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その他の出来事

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  • 吉田拓郎の「結婚しようよ」発売(1972)
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