「アルハンブラの想い出」で知られる、近代ギター奏法の父
19世紀半ば、スペインが世界に誇るギター音楽は、大きな岐路に立たされていました。オーケストラの巨大化、楽器の改良などに伴う音量の増大というクラシック音楽全体の潮流に、音量が微弱なギターは合わなくなってきたのです。それを救おうとしたのが、フランシスコ・タルレガでした。
スペイン東部のカステリョン・デ・ラ・プラーナという地で生まれたタルレガは、少年の頃から独学でギターを弾き、卓越した演奏で周囲を驚かせました。22歳の時にはマドリード音楽院に入学し、ピアノと
和声学を学びましたが、しかし彼にとって終生の伴侶とも言える楽器は、やはりギターでした。先に述べたような当時のクラシック音楽界の潮流に、ギター音楽も乗り遅れてはいけないと考えたタルレガは、奏法の工夫やレパートリーの拡大により、ギターに新たな魅力を付け加えていったのです。
その成果の一つが、「アルハンブラの想い出」で有名な
トレモロ奏法。アルハンブラというのはグラナダ地方にあるイスラム宮殿の名前で、タルレガはこの宮殿のエキゾチックな印象を、豊かな伴奏の響きの中からメロディが立体的に浮かび上がってくるようなトレモロ奏法で表現しました。この他にもタルレガは非常に多くのギター曲を作曲、その数は400曲にものぼると言われており(彼は作品に番号をつけなかったため、正確な曲数が不明なのです)、その中には
バッハや
ベートーヴェン、
ショパン、
アルベニスなどの作品をギター用に編曲したものもあります。中でもアルベニスは「自分の原曲よりも素晴らしい!」とタルレガの編曲を絶賛、以後彼らは無二の親友になったということです。
アルハンブラの思い出 作曲:Eixea Francisco Tarrega
1999 YAMAHA CORPORATION
- ※おんがく日めくりの更新は2002年10月をもって終了しました。
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