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おんがく日めくり

05月 25日

フランスの作曲家、レオ・ドリーブのバレエ「コッペリア」がパリ・オペラ座で初演(1870)

フランス・バレエ最後の輝き

 1870年の今日、パリのオペラ座でバレエ「コッペリア」が初演されました。人形作りの老人コッペリウスと、彼が作った自動人形のコッペリア、そして人形とは知らずコッペリアに思いを寄せる青年フランツと、フランツの目を自分に向けさせたいヒロインのスワニルダが繰り広げる騒動を描いた、楽しい名作バレエです。しかし、このバレエが上演されるまでには、紆余曲折がありました。

 元来フランスはバレエ大国で、近代バレエの原典と言われるアダンの「ジゼル」も1841年にオペラ座で初演されています。しかし1860年代のフランス・バレエ界は低調を極めていました。そこでオペラ座の経営者は、バレエ界に活を入れようと意気込み、1867年に新進作曲家レオ・ドリーブ(1836〜1891)に新作バレエ「コッペリア」の作曲を依頼します。曲は1867年秋には完成しますが、オペラ座は稽古と上演準備に3年もかけ、そのため当初予定していた主役のバレリーナとの契約が切れてしまったのでした。そこで、スワニルダ役には、わずか15歳のイタリア出身の天才少女バレリーナ、ジュゼッピーナ・ボツァッキが抜擢されたのです。

 こうして、オペラ座の総力を結集したバレエ「コッペリア」は、ようやく初演の運びとなりました。皇帝ナポレオン3世を含む観客は、ボツァッキの素晴らしい踊りとドリーブの優美な音楽に魅了され、初演は大成功。ところがこの成功は思わぬ出来事で中断されてしまいます。フランスとドイツが戦争を始めたからです。オペラ座は8月31日に閉鎖され、皇帝ナポレオン3世は9月2日に捕虜となって降伏します。同じ日、振付師サン・レオンが心臓発作で死に、パリ包囲最中の11月23日には、天然痘の流行と栄養失調が、哀れ、主演の少女バレリーナ、ボツァッキの若い命まで奪ってしまいます。それは彼女の16歳の誕生日のことでした。

 戦争が終わった時、「コッペリア」再演の話が出ましたが、振付師と主演バレリーナを失ったため、皆は途方に暮れました。しかし関係者の執念が1871年10月16日に再演を実現させ、観客の熱狂的な喝采を誘ったのでした。

 フランスではその後バレエの衰退に歯止めをかけることは出来ませんでしたが、ドリーブの「コッペリア」が示したロマンティック・バレエ音楽の理念は、ロシアのチャイコフスキーに受け継がれ、発展していくのです。


コッペリアのワルツ 作曲:Leo Delibes 2001 YAMAHA CORPORATION

  • おんがく日めくりの更新は2002年10月をもって終了しました。
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