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トロンボーンの名曲

トロンボーンの名曲

トロンボーンのための協奏曲は古典派時代に作曲された作品が現在でも時折演奏されることがありますが、定番と言えるような作品は決して多くありません。トロンボーンの独奏楽器としての可能性を追求しはじめたのは20世紀になってからではないでしょうか。

エルネスト・ブロッホ(1880~1959)

N. リムスキー=コルサコフ:「トロンボーンと吹奏楽のための協奏曲」
ロシア海軍の軍人でもあったリムスキー=コルサコフが、海軍軍楽隊の監督官を務めていた頃に作曲されました。その時期のリムスキー=コルサコフは楽器の用法やオーケストレーションなどを熱心に研究しており、この協奏曲にもその成果が反映されているようです。同じ時期には、オーボエやクラリネットを独奏とする吹奏楽のための作品も生まれています。この協奏曲では、ロシア民謡からの影響が感じられるトロンボーンの美しい旋律が目立ち、リムスキー=コルサコフの個性が感じられると言えるでしょう。

E. ブロッホ:「トロンボーンと管弦楽のための交響曲」
20世紀には多くの作曲家がトロンボーンのための協奏曲作品を残していますが、ヘブライ狂詩曲《シェロモ》で有名なスイス生まれでアメリカで活躍したエルネスト・ブロッホはユダヤ系の家系で、ユダヤ民族にまつわる題材を創作活動に反映し続けた作曲家でした。この作品に置いては、第2次世界大戦の時、ナチス・ドイツの犠牲となったユダヤ人への哀悼の意が込められていると言われています。元来トロンボーンは教会で用いられることが多く、「神」の象徴と考えられることもありますから、ブロッホはトロンボーンを独奏楽器としたのでしょう。

トロンボーンの活躍するオーケストラの名曲

アントン・ブルックナー(1824~1896)

古典派時代には宗教音楽ではトロンボーンが使用されることが多いのですが、モーツァルトの《レクイエム》K.626における「トゥーバ・ミルム」は、最初に印象的なトロンボーンのソロが現れます。ここでは、「最後の審判」の始まりを告げる「ラッパの響き」を描写するために、トロンボーンが使用されたものと思われます。

19世紀になって、オーケストラでのトロンボーンの使用が一般的になってくると、トロンボーンがオーケストラ全体の響きに影響を与えることになっていきます。トロンボーンを含め金管楽器を数多く要求したブルックナーの交響曲などを聴けば、トロンボーンの合奏が時には豊麗な響きを、時には厳かな響きを醸し出していることがわかります。マーラーの交響曲第3番の第1楽章では、トロンボーンが印象的な旋律を吹奏する個所が現れますが、オーケストラのなかでソロを担当楽器としてトロンボーンが認められた証拠でしょう。

オーケストラで使われる楽器が次々とソロを披露していく、ラヴェルの《ボレロ》では当然ながら、トロンボーンにもソロが与えられています。



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