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残響室の中で建築材料等の吸音率を測定する場合には、残響室内の音場が完全に拡散しないことよる残響時間の誤評価、及び“面積効果”と呼ばれる音の回折現象による吸音率の過大評価、が大きな誤差源となります。これらの問題に対して当開発室では、湾曲した残響減衰波形から完全拡散下の残響時間を推定計算する、PLD(Power law decay)補正技術、及び材料周囲にアクリル板の囲い(Deep well)を設置することにより面積効果を抑制する、Deep-Well技術を開発し、吸音率測定において高い精度を実現しています。
この測定法により、ホール等、実際の音場での実効的吸音率を正確に算出することが可能となりました。また、少ない試験材料でも、正確な吸音率を評価することが可能です(客席椅子の場合、PLD/Deep-Well法では8脚程度でも正確に測定可能)。
この測定技術を用いて、我々はCA(Conservation of absorption)コンセプトに基づく客席椅子<CAis>を開発しました。これはコンサートホールを対象に空席時と着席時との吸音力の差を極力少なくする目的で開発された椅子で、これによって、リハーサル時と本番時の響きの差は非常に小さくなり、演奏者に安定して最適な演奏環境を提供することができます。
![[画像]残響波形](img/ind_img_01.gif)
図の説明:
実際の残響波形(上図)に理論式(LN(t))をフィットさせて完全拡散下の残響時間(TNO)を算出する(PLD補正と称する)。従来の評価法の直線で近似させた値(T5-35)とTNOとは大きく異なる。
![[画像]Deep-well](img/ind_img_02.gif)
図の説明:
面積効果を非除するためには床前面に試料を敷き詰めればよい(上図(1))。これを、Deep-wellで物理的に実現したのが図(2)→(3)→(4)の流れ。また、Deep-wellは図(5)の拡散板と同様に取り扱い、材料設置前後ともに、設置したままとする。